ベートーヴェン:ワルトシュタインソナタ/清水和音 | angsyally1112のブログ

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ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン - Ludwig van Beethoven (1770-1827)

ピアノ・ソナタ第21番 ハ長調 「ワルトシュタイン」 Op. 53
Piano Sonata No. 21 in C Major, Op. 53, "Waldstein"

清水和音 - Kazune Shimizu (ピアノ)

録音: 15-17 December 2015, Inagi i Plaza, Tokyo, Japan
(25:48)


素晴らしい『ワルトシュタインソナタ』ですね。
今まで聴いてきたこの曲の演奏では最も好みの演奏です。
ハイテクなポリーニの演奏よりはるかに感動的です。
ギレリスの演奏にテンポを含めて一番近いと感じます。
優秀な録音のお陰もあるのでしょうが、ギレリスよりリアルで生々しい音です。太めの豪快なサウンドと繊細でロマンチックな響きのコンビネーションが抜群です。

NMLのライブラリーで20種程、聴き比べてこの演奏にたどり着きました。
もちろん他にも素晴らしい演奏はたくさんありました。
ラグナ・シルマーも素晴らしかった。只、終楽章がもう少しスローならば最高なのですが。

又、作曲当時の原曲である『アンダンテ・ファヴォリ へ長調 WoO.57』を第2楽章にして演奏しているクリストフ・プライスの演奏も珍しいだけでなく瑞々しい力に溢れた素晴らしい演奏です。

又、当時のフォルテピアノで演奏しているという小倉喜久子の響きが音質としては最も私の抱く『ワルトシュタインソナタ』のイメージに近く興味深く聴きました。
確かにフォルテピアノで弾く限り、このようにアップテンポにならざるを得ないのでしょう。ベートーヴェンの頭の中ではこのように躍動感溢れたアコースティックなサウンドが流れていたのかも知れません。

しかし、200年の間にこの曲は人類と共に勝手な進化・変化をして来たのでしょう。
第2楽章から第3楽章にかけてはやはりモダンピアノのサウンドで聴く崇高な響きが欲しい。
ギレリスやこの清水和音の演奏に聴くように、最終楽章中間辺りで時間が停まったかのように、ピアノコンチェルト第4番のテーマが秘めやかに流れると私は身震いする程の感動を覚えるのです。
『孤独な魂の秘めたる心の叫び』です。


ヘッドホンはピアノホンのYAMAHA HPH-PRO500です。私にはこのヘッドホンはヘッドパッドが痛いのでスポンジを挟んでフェルトを巻いて使っています。