毎日トップニュースで伝えられるイスラエルとPLO/ハマスの軍事衝突。イスラエルのガザ侵攻に付いては横暴の声が聞かれる一方でイスラエル側では、国家、国民、存亡の危機と言う見方が主流なのも事実だ。

 軍事衝突は、両者の言い分が食い違うから勃発する。

 

 歴史を紐解くと色々なことが見えて来る。

 イスラエルの建国は、流浪の民、ユダヤ民族究極の悲願だった。

 紀元前2000年頃、カナンの地(現在のイスラエル)を大飢饉が襲い、奴隷としてエジプトに移住後、モーセに導かれエジプト脱出(旧約聖書・出エジプト記)。数十年間シナイ半島の砂漠地帯を彷徨い、世代が変わりながら生まれ故郷(カナンの地)へ戻る。その後、紀元前550年頃、ユダヤ国家は新バビロニア・ネブカドネザルにより滅ぼされ再び捕囚の身となるが(バビロン捕囚)、数十年後に帰還を許される。その後、ユダヤ国家は東ローマ帝国に滅ぼされ再再々度、民は奴隷としてローマ帝国へ連れて行かれた。その後、ユダヤ民族は散りじりバラバラとなった。

 一方、ユダヤ民族のいなくなった肥沃な土地、カナンに住み着いたのが遊牧民だった現パレスチナ住人の先祖、アラブ系住人だ。

 歴史を振り返ると、ユダヤ民族こそ本当に悲運の流浪民と言える。帰る地(母国)のない悲哀は想像を絶する苦しみ。当事者(関係者)でないと絶対分からないだろう。

 

 東ローマ帝国によるユダヤ国家殲滅から約1900年後、パレスチナ住人を銃を持って追い出して(彼らの大部分は難民化)イスラエル建国は、随分乱暴な話だ。

 デタラメ国連が認めたのは、自分勝手な白人至上主義と金の力だ。

 

 第二次世界大戦後(中)、当時の英国外相バルフォア卿のイスラエル建国を約束した宣言(バルフォア宣言)によりユダヤ系金満家・ロスチャイルド家等の支援により散々になっていたユダヤ人がカナンの地へ移住、建国の運びとなった。その当時の歓喜と土地への執着はユダヤ人でない限り分からない。

 イスラエルは建国時、ヨルダン川西岸地域、ガザ地区はパレスチナ人の居住地として認めていたのだが……。

 その後のイスラエルは、強大な資金力と米国を後ろ盾にした圧倒的軍事力で入植地を広げ続け、合意を守らない事も以前からインティファーダ(抵抗運動)の一因になっていた。

 

 今回武力衝突直接の原因はガザ地区を実効支配するハマスにょる先制武力攻撃だが、これはパレスチナ全住民の総意ではないだろう。この点を明確に分けて対応することで、和平への道が開かれるのではないだろうか。

 

 現在、パレスチナ住民の多くは憎悪よりも友和、戦争よりも和平を望んでいるとの報道。イスラエル国民も大半は同じだろう。お互い共栄共存の思いが強ければ必ず解決方法はある。

 

 その方法とは、「真のパレスチナ国家の建国(自治区ではない、独立した国家)」を急ぎ、正式な国連の加盟国になる事、即ち国連全加盟国に承認させる事だ。

 駄目国連だが、最低限の使い道はある。

 

 今こそバルフォアならぬ米・バイデン大統領が穏当なパレスチナ人(ハマスは除外)だけを結集、パレスチナ国家樹立を宣言(バイデン宣言)すれば良いのではないか。

 建国の地は、エジプト・シナイ半島の地中海に面した一部の土地とし、新しい近代的な都市国家を建設すればよい。資金は金満ユダヤ人、オイル成金のアラブ諸国の金満家連中に協力を依頼だ。 

 彼らも戦いが収束するなら、その程度の犠牲は払うだろう。

 土地は、国連が100年単位でエジプトから借り上げ、エジプトを含む周辺アラブ諸国と欧米主要国が協力してパレスチナ国家を安全に育てて行く。

 

 一方ガザ地区は、国連軍により完全封鎖、ハマスの武装解除を進め国連の信託統治領とする。数十年後に騒動終息後、前パレスチナ住民が帰郷出来る道を残しておくことも重要課題であり、国連、その他各国が共同で担保すれば良い。

 

 イスラエルも、パレスチナも、今後、お互い平和に暮らすことを優先すれば、過去の恩讐を忘れろ、とは言わないが、我慢すべきではないだろうか。

 親兄弟、子供や孫を殺された恨みは何処かで捨てなければ前進はないどころか、益々悲惨な状況が生まれるだけだ。

 ここは、両者共に大人になって現状打破に向け、それぞれが譲歩したり協力すれば必ず和平は実現できる。

 

 前述の、モーセがユダヤの民を引き連れてエジプトを脱出したように、バイデン大統領の後押しの元、パレスチナ民族の、「出ガザ記」が後世読まれることを想像したい。

 

 米・バイデン大統領も、砲弾やミサイルだけを供与して、憎悪を増幅する前に、同じ資金を使うなら和平に寄与する使い方をして欲しいと願うばかりだ。

 

  そして、我が国の対応は?。

  両者の仲介役となり、イスラエルとアラブ諸国の橋渡し、バイデンの尻を叩き、和平(建国)のプログラムを作成、その実現を促進させる。

 今こそ世界平和に寄与できる日本発、真の政治家出現が待たれるが……。

 少なくとも、見た目より遥かに性格が陰湿で、頭の中が空っぽのアンポンタン岸田(ガンだ)総理では、期待出来ないわなあ~。(ガッカリ)