死せる孔明(諸葛亮孔明)、生ける仲達(司馬仲達)を走らす。

 

 これは、「三国志」の中の小見出し。今回、名前を変えて掲題に拝借した次第。

 登場人物のスケールは比べるのもおこがましいが、構図が似通っていたのでつい……。

 

 過日、銃撃により生命を落とした安倍元首相。本年9月下旬、日本武道館で国葬を営む、と岸田内閣・閣議で決まったが、思惑絡みの拙速な決定は、国内に賛否の論争を巻き起こしている。

 

 安倍元首相死亡の第一報が流れるや否や、バカボン総理・岸田文雄を先頭に自由民主党幹部連中~下っ端議員に至るまで、政治利用と言うよりも、その殆どが個人利用の悍ましさ(おぞましさ)、あざとさには呆れ果ててしまう。

 

 この人達は、何と薄情で自分勝手、軽薄な連中なのだろう~。

 

 岸田首相は安倍元首相を、盟友、親友、昵懇の間柄と強調したが、その心模様は必ずしもそうではないのでは?。

 

 第二次安倍政権を体調不良?とかでぶん投げた時の後継者は、当然自分に来ると思っていた(岸田)が、あにはからんや、菅だった。その菅政権が短命で終焉を迎えた時、今度こそ、と思ったに違いないが、指名したのは安倍派閥外の高市早苗だった。

 ここまでコケにされ、恥をかかされ、これ程冷酷な仕打ちを受けた人間を盟友、親友と思うだろうか?。

 もしそうであれば、本当の馬鹿か余程肝っ玉が大きい、出来た人間、のどちらかだわな~(笑)。

 どれ程嫌いでも、憎んでいても、相手の死を喜ぶべきでないとは、我が国教育のなせる業だが、心の深淵まで届く筈もない。

 

 岸田政権が国葬を急いだのは、自身の政権安定を図るため。安倍派崩壊から自民党の保守岩盤支持層にまで影響が及ぶのを恐れたからだ。

 先般、増上寺に集った目立ちたがりや、お気楽国民が醸し出す世相は、国葬を強行しても、特段大きな失点は無いと思ったか、その反対にプラスになるとでも踏んでの事だろう。

 

 安倍政権、内政における経済政策の柱、アベノミクス大失敗は周知の事実で、今日の円安、物価高騰に悪影響を与え続けてている。

 身内最優先のモリ・カケ・サクラ疑獄では、国政の私物化が露呈。公文書偽造に公務員の自殺者まで出る惨状を引き起こしたが、太々しく開き直り、国会答弁で118回も嘘を吐く不誠実さ、国民無視の悪辣さが浮き彫りになった。

 民主主義を破壊した張本人が、反民主的人間の放った凶弾に倒れるとは……、皮肉なものだ。

  外交において、北朝鮮拉致問題は1ミリも進展せず、北方4島を勝手に2島に変更したものの、露・プーチンには経済協力だけ食い逃げされた挙句、交渉すらしないとポイ捨てされる赤恥。米、トランプには千切れる程尻尾を振続けたが、ポンコツ兵器を大量に売りつけられ爆買いのお粗末。

 その他、世界各国から数多の弔電は、それだけ金を配って歩いたから。国益を損ねた数が、弔電の数と正比例と理解すれば分り易い。

 

 外交は武器を使わぬ国益をかけた戦争。配った金だけ見返りがあって初めて成果と言える。実質的な国益と呼べる成果があっただろうか?。

 

 内外問わず安部政治の成果とは、「幽霊の、正体見たり、枯れ尾花」、(芭蕉)だ。

 言っちゃあ悪いが、国や国民にとってプラスになった政治屋ではないと思うのは私一人か?。

 

 岸田政権、自民党が進める国葬は、安部元首相が、恰(あたか)も偉大な宰相で、神格化まで視野に入れた全体主義的国家形成を目指しているようで薄気味悪く、危険な兆候が表れ始めたと言える。

 再び何時か来た道を歩くことのないよう注意が必要だ。

 

 岸田自民党、国民を馬鹿にするのも大概にしろいィィィ~。

 

 弔いは、各々個人が心の中で手を合わせれば済む話。儀式は同じ思いの人達だけでやれば良い。ごちゃまぜにしての同調圧力は、安倍政権時同様閣議決定を錦の御旗とした独裁的手法だ。

 正に常軌を逸した行為、考え直すべきだろう。

 

 それでも実行したいのなら、葬儀そのものを外交の舞台にすることだ。特に、露・プーチンを呼んで安倍政権時の懸案事項だった我が国固有の領土・北方四島返還と、ウクライナ侵攻を止める様、諫言すべき。

 彼が寄こした弔電が真意なら、充分期待出来る。

 

 それでこそ、国葬を強行する理由になる。

 

 チマチマした姑息で自分勝手な政権の安定や、自身の議員生活延命に人の死を利用する等、人としてあるまじき、恥ずべき行為。

 

 はしたない岸田政権、自由民主党幹部連中、国会議員に特大ゲンコツ1発づつお見舞いだい!!

 

 内容は違えど、昭惠夫人も此度連れ合い(安倍元首相)を失くし、厳しい指摘で恐縮だが、自分達の関与?で既に同じ境遇にある赤城雅子氏の辛さ、心の痛み、悲しみ、寂しさが、身に凍みて解るのでは……。

 

 外遊時、何度も夫婦揃ってタラップでにこやかに、満面笑みを浮かべ手を振る姿を目にした記憶が蘇る。

 

 因果応報?なのか、天網恢恢疎にして漏らさず?、なのか、それとも……、答えは分からない。