こんにちは。
大野です。
待ちに待った秋合宿本番。
ポイントは新潟県阿賀野川流域。
狙いは落ち鮎シーバスと幻のウケクチウグイ。
この日に備えてタックル、ルアーセレクトともに万全…のはず。
胸の高鳴りが抑えられず、夜勤明け不眠のまま山本と合流し、新潟へと出発。
19時頃到着し、小手調べに信濃川の橋脚周りでシーバスを狙ってみるが、ベイトも少なく気配がない。
東京湾は魚多いんだなぁと気づく。
早々に切り上げホテルへと向かう。
山本がとってくれた新潟駅近くのビジネスホテルは、入り口から安さが滲み出ており、万年金欠の我々にはうってつけのホテルだった。
翌日、7時に起きてポイントへと向かうが壁と逆側に傾斜したベッドの影響で睡眠が足りていない。
3人目の参加者であるマキロイ遠藤とは阿賀野川満願寺堰に現地集合となっている。
到着するとひときわ輝く黄色の車が見える。
間違いない彼だ。
再会を喜ぶ暇もなく釣行開始。
これはお遊びでもなんでもない合宿なのだ。
堰の周辺は変化に富んでいるがめぼしいベイトも見当たらず、早々にポイント移動し上流へ釣り上がる。
2箇所目は支流が流れ込むシーバスポイント。
通称しんたくポイントへエントリー。
初めて見る程の大量の落ち鮎だったが水がクリアでキンキンに冷えている。
自分のイメージではこの状況でシーバスはかなり難しいという認識だがこういうものなんだろうか?
ただ前情報通り風景は美しく心が洗われる。釣れたらもっと洗われる。
道の駅でラーメンを啜り。
熊と戦える刃物がないか物色し。
刃物が高かったのでやめてさらに上流を目指す。
ここからは、ウケクチウグイ狙いに切り替え、ロッドをグリッサンド77へと変更する。
こちらもまた、綺麗な景色が続く。
同じように釣れない時間が続く。
支流の絡んだポイントで、遠藤にチェイス!
興奮して一歩前に出た瞬間、視界が一瞬途切れる。
片足が付け根まですっぽりと穴に落ちていた。
二人は大きな声こそ出していたが、助けてくれるわけでもなく、釣りに没頭していたので、自力で這い出す。
ここはテトラの上に土が積み重なった足場でできておりたいへん危険なポイントだった。
その後は、クマ対策で絶叫したり、何かをバラしたりと色々あり、記憶は曖昧だ。
ふと気付いたら海に来ていた。
新川河口という好ポイントとのことだったがここでもノーフィッシュ。
足もとで何かをバラし。
シーバスバラシニキという不名誉な名前まで頂いた。
ホテルに戻り翌日の作戦会議を行う。
上流へ上がりすぎた反省を活かし、より河口寄りを攻めることとなった。
ホテルのフロント横の椅子で遠藤が、大声で「この合宿はさぁ」と言ったとき、3人で何が合宿だ、恥ずかしいやつめ、と思ってしまったが、何も釣ることができない不甲斐ない自分を恥じるべきだったと今になって思う。
再び傾いたベッドで夜が明けた。
今日は最終日、なにがなんでも釣らなければ。
昨日目星をつけた下流の流れが緩んでいるポイントにエントリー。
飛距離とボトムを意識し、ロンジンのIRIKOのリフトアンドフォールで広範囲に誘っていく。
着底からの巻出し、急にグンッというアタリ。
グンッグンッと抵抗を感じるが途中から弱々しい引きに変わっていった。
あれ?
魚体が見える。
ニゴイか?
いや、シーバスだ!
いや、ウケクチウグイだ!
いや……ニゴイだ。
初魚種だが嬉しくはない。
自分の 食った!という声に反応した二人がなんとも言えない顔をしてこちらを見ていた。
その後も黙々と竿を振る。
途中遠藤がやる気を失い、力尽きてしまった。
無理もない、こんなハードスケジュールな上に魚が出ていないのだから。
「一緒にマリンピア日本海(近くの水族館)でウケクチウグイを見ようか?」
出かかった言葉を胸にしまい込んで続行したが。
ニゴイ1のみで終了となった。
スタート地点の満願寺へと戻り、3人で呆然と、キャッチボールをしているカップルを眺める。
彼女さん肩いいなぁなどと話しているうちに次第に目の前がぼやけて見えなくなる。
涙がこぼれ落ちないように真っ青な秋の空を見上げた。
遠藤が釣りを嫌いになったりしないといいなぁ、と思いつつ別れの時間となった。
シーバスは置いておいて、ウケクチウグイに関しては、有力なヒントがなかったように思う。
憧れすら届かなかった。
必ずリベンジしたいと思う。
神奈川に戻りつつもう一つの挑戦をしたが、長くなるのでまた今度。
では🐳
Written by チカボッカ大野