2010.11.27(土)大学附属病院を訪れた。県内でもトップクラスの総合病院で、地域屈指の緊急・救急医療の要の役割も担っている病院である。このため、患者数も桁外れに多く、常に待ち合いやロビーは人でごった返している。初診受付で事情を話すと、まずは問診票に記入するように言われ、書き込んで再び受付に提出。どの科を受診したらよいか尋ねると、内科へ行くように言われ、診察予約して内科へ行った。診察券を窓口に出して一時間ほど待っていると、名前が呼ばれた。診察かと思ったら、紹介状がないと内科では診察できないと言われ、ひと悶着のあと外科へ回された。再び外科に診察券を出し直し、待ち合いで待つ。外科での受付が遅い時間になってしまったため、診察は土曜診察時間の最後の最後になった。待ち合いで待つ患者がもういなくなったころ、ようやく名前を呼ばれた。

 

 この日最後の患者だからか、診察室に入ると、担当のY医師は内科から回されてきて診察が遅い時間になってしまったことをわびて、こちらの状況をじっくりと聞いてくれた。その上で、紹介状は不要。こちらで全て精密検査しますので安心して下さいと言ってくれた。検査日を決めることになり、12/4(土)でエコー検査は予約がとれたが、それ以外は年内の検査予約はいっぱいで無理。年明け早々もこちらの予定と検査の空き日程が合わない。そこで、元々K病院での経過観察のエコー検査が入っていた1/20(木)はどうか聞いてみたところ、その日なら必要な検査が全てできるとのこと。その日に検査予約を入れて、検査結果を聞く診察は1/22(土)ということになった。K病院には他病院で診察を受けることになったことと、1/20に検査を受けなくても会社での定期の超音波健診がすぐにあることから、予約キャンセルの連絡を入れた。

 

  2010.12.4(土)と、2011.1.20(木)で大学附属病院にて精密検査を受けた。血液検査から、エコー、MRI、CT検査などを受け、手術も視野にということで、負荷心電図と肺活量の測定もあった。1/20(木)は一日がかりの検査を終えて、この日は帰宅。翌々日の1/22(土)に診察を受けた。この病院で生まれてもうすぐ1歳になる息子をベビーカーに乗せ、妻と3人で診察室の扉をくぐった。手術の引導を渡されるかと、ちょっとドキドキしていたが、結果として、Y医師の見立てでは、”胆嚢に石はない。胆嚢の壁が厚くなり若干変型して窪んだようになっているが、手術が必要というレベルではない”とのことだった。症名としては、軽度の”胆嚢腺筋症”。将来的に手術が必要となった場合でも、癌化などのよほどのことがなければ大学病院では腹腔鏡手術でできるとのこと。K病院の診察医にはこちらから手術は不要と連絡を入れておくとまで言ってくれた。ただ、他病院でもかまわないので、今後、年に一度はエコー検査を受けるように言われ、進行を抑えるための薬として、ウルソとコスパノンが処方された。薬は今後、飲み続けるよう言われた。エコー検査はK病院による会社の定期の超音波健診があるので、そちらで経過をみることができる。お礼を言って、喜んで病院を後にした。

 

  2011.2.22(火)自宅近くの内科クリニックを受診。K病院での診察と大学附属病院での精密検査のいきさつを説明し、ウルソとコスパノンを処方してもらった。大学附属病院のY医師から連絡がいったのかは定かではないが、その後、K病院から呼び出されることはなくなり、毎年の超音波健診の結果も”壁肥厚”か”腺筋症”と記載され、経過観察のみとなっていった。この頃までは、胆嚢発作の頻度は2~3回/年程度のものだった。このあと、近所の内科クリニックには手術となるまで、6年半の間、毎月お世話になった。

 

 一時は安堵の期間が流れた。だが、徐々にだが確実に病巣の成長は続いていた。

 

 月日は流れ、2015年となっていた。近所の内科クリニックでの薬の処方は続いている。

 

 2015.2月、お袋が例の大学附属病院で胃ポリープの内視鏡手術を受けた。この際、手術前に家族が集まった時に、お袋も小さい胆嚢結石があり、かかりつけの別病院で自分と同じウルソを処方されていることが判明した。又、弟も、健診で引っ掛かり、胆嚢ポリープと診断されていたこともわかった。一家で胆嚢を患っているとは…。長年離れて生活しているので、食生活が原因とは考えにくい。遺伝なのか…?

 

 この頃、発作の頻度は軽度のものを含めると、1回/2ヶ月程度に徐々に増えてきていた。発作危惧種の食べ物もだんだんと増えていった。焼肉屋の牛肉、ファミレスの高めのステーキ、ローストビーフ、ピザ、天婦羅、鰻、トロ、バター焼きなど、いろいろ気をつけないとヤバイ。一口ていどならまだ大丈夫だが、もっと沢山食べたいものばかりである。好物の天ざる蕎麦は食べるのをやめた。馴染みの焼そば鉄板焼の店にも足が遠のいていった。

 

 2016年初夏、発作が連発した。8月までの約2ヶ月間で3回。その後、夏バテもあり、体重が5㎏くらい減った。そしたら、9~10月にかけての1ヶ月間で、軽度のものを含め4回の発作が多発した。後でわかったことだが、ダイエットなどで体重を減らすと、発作のリスクが高まるのだそうだ。10月の会社の通常の定期健診では、肝臓系の値がのきなみ異常値を記録した。発作発症の直後の検査だった。近所の内科クリニックの医師に健診の結果を見せたら、”ほんとにそう(発作直後)だったみたいですね。軒並み高い値になってる…”と言われた。そろそろ限界が近づいてきたのかな~と思いはじめていた。