土地家屋調査士 境界について(地積測量図) Q&A 

ちょっと長文です。わりと詳しく書いたつもりですが、需要あるのか微妙ですね!

 

Q 地積測量図に任意座標や世界測地座標があるのですがどう違うのでしょうか?

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A まず、現在の地積測量図のは、現地復元性が必要なため座標で表示されています。

基本的に基本三角点等と言われる基準点を使用した世界測地系の座標を使用しなければなりませんが、近傍に基準点がない場合は、特別に任意座標で作成することになります。

 

世界測地座標とは地域によって座標系が定められており岡山は5系に該当します。境界標が紛失しても正確に復元できるので、争いになりにくいと思います。任意座標は例えば観測点Aはx=100、y=100といった具合に表示されたものが任意座標です。任意座標でも基になる点から復元が可能です。ただし、もとになる点が紛失、移動等した場合は、難しくなる場合があります。

 

 

Q 法務局に地積測量図が備え付けられていても、作成された年代によって役に立つものとそうでないものがあるとのことですがどういうことでしょうか?

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A 年代によってだいぶと違いがあります。ざっくりですが、、、、

昭和35年~昭和52年

測量の結果のみを明らかにする目的とされていて、机上作成も多いといわれています。ただ、位置関係や土地の区画の形状等を確認できる、その後方位や地積、求積方法なども記載されているが、境界標の義務づけがされておらず復元性は低いと思われます。

 

昭和52年~平成5年

地積測量図に基づいて設置あるいは確認した境界標を地積測量図に記載しすることになったが、境界標の設置がない場合は記載していないため、復元性は難しい。

 

平成5年~平成17年

上記に加えて、境界標がない場合は恒久的地物からの位置関係を記録することになった。

 

平成17年~現在
 平成16年に不動産登記法の改正があり、不動産登記規則に筆界点の座標値を地積測量図に記録すべき事項とし、かつ、その測量に当たっては、基本三角点に基づいて行なうべきこととされました。この規定により現地特定機能、境界点の復元性が一層高まることになりました。

 

古いほど正確性がないともいいきれませんが、雑な測量図が多いイメージです。地域性や、当時の測量者の技術力、年代によって検討が必要だとおもいます。