何度も言います。私は、海外の国際交流サイトで友達を作りたかったのです。どんなサイトが良いかな、と探している時にそのような場所で恋人や結婚相手を見つけた!というブログはいくつか拝見しましたが、「ふわぁ、良いなぁ」と思うにとどまっていたのです。
 ところが4年前、いざそのようなサイトにアカウントを作るとロマンス詐欺とか、ビザ目的とか、アジア人女性と話したいとか……。そのような理由でメッセージを送ってくる人たちがたくさんいるようなのです。
 これは私の誤算だったのですが、自分の身の安全のために私は視力のことをプロフィールには書かないでいました。でもその結果、私は関係のない人たちからメッセージをいただいていた気がします。今年に入って、プロフィールを書き換えて私が盲目の鍼灸師だと公表してみたのですが、その後からどうもほとんど新しい友達からの連絡がありません。彼らは私の目のことを気にして連絡してこないのでしょうか?それとも、盲目の鍼灸師を悪質な冗談だと思っているのでしょうか。
 こうしてネットで国際交流?を始めてから1年が過ぎたころ。友達になりたいとメッセージをくれた人がいました。プロフィールを読むと日本生まれでアメリカ育ちの人のようです。ただ、それにしてはずいぶん間違った文章を送ってきます。はじめはまた詐欺師かと思ってそっけない返事を書いていたのですが、謝りながら丁寧に答えを返してきます。ネイティブの友達にこの人の文章を見せると
 「教育水準が低い人の文章みたい。でも、きみのことが好きなんじゃない?」
と言われました。毎日何をしているのか?という質問に対する返事だったので
 (どの辺りでそんなことを感じるんだ?)
と不思議でたまらなかったことを覚えています。ですが一年後、その彼が私にとってとても大切だと感じる人に変わってしまいました。何が切っ掛けだったか、いくつか思い当たることはあるのですが、ここに書くほど面白い出来事ではないので、思い切って端折ります!!!ちなみに、彼の教育水準はそれほど低いものではありませんでした。ただ、本人は話すことが苦手で、よく話し相手を困惑させている、と教えてくれました。
 彼は定期的にスカイプで連絡してきて、長い時には3時間ほど話したり歌ったりしていました。
 歌う?
そう、歌うのです。褒めれば褒めるほど喜んで歌い続けてくれる、のりの良い人だったのです。そんなことが2年ほど続きました。私が国家試験を終えてからは連絡の頻度が増えて、そんなに私と話したいのか!!!とうれしいような、そんなに連絡をくれなくても良いよと思うような状況だったのです。
 ところが、ふとした切っ掛けで、彼は1年半ほど前から付き合っている人がいることを知りました。
 だ、だから日本にくると言いながらこないのか!
 プレゼントのやり取りを嫌がるのはそのせいか!
私は悲しみながら、もう終わりだと思っていました。
 ごめん。調べるつもりはなかったのだけれど知ってしまったんだ。彼女がいたんだね。さよならを言いたいから連絡してね。
とメッセージを送ったのですが、十日ほど連絡がありませんでした。この不完全燃焼のような十日間が辛すぎました。孤独に一人で生きている私の毎日に、彼との会話がとても大切だったことを痛感させられてしまったのです。
 私の人生、たぶん後半を生きていると思うのですが今後私はリアルな恋愛ができるのでしょうか?
 あ、諦めません。いつまでも。
って、あれ?私は恋人がほしかったんだっけ?あれれ?あれあれ?