今、アメリカの精神科医であるブライアン・ワイス先生の著書を読んでいます。催眠療法をしている内に患者が自分の生まれる前の人
生を語りだしたことから生まれ変わりについて研究するようになった方です。私は数年間科学以外のことをすべて否定して世の中を見て
きたのですが、私の原点はここにあるのではないかと思って本を読み直したりまだ未読だったものを読んだりしています。
その著書の中で怒りなどのネガティブな感情は悪いものでこれを肯定してはいけない。ということが書いてあり、ふと本を読むのをや
めてしまったのです。というのも、実は私は今怒りを感じていたところで、それをどのように自分の生活を良く変化させる原動力にでき
るかを考えていたところだったからです。怒りをいけないものとして消し去ろうとするのではなく、上手に活用することについて書いて
ある書物やサイトはないだろうか。あるいは、今の私の心境を理性的に言語で表している本はないだろうか。私はそう思い立って検索を
始めました。
まずサイトで見つけたのは東洋思想の五行論というものでした。すべてのものを五つの属性に分けて理解していこうとするもので、そ
のバランスが取れている状態が良いとする考え方です。感情も五つに分けられていてその中には怒りもあるのです。怒りが弱まれば対す
る感情、思い込んで悲しむ感情だけが高まってしまう。怒りも人間にとって必要だと認めるところにこの説の魅力を感じました。
次に怒りというワードが含まれる本から気になるものを拾い上げてみました。怒りを無くす、怒りをコントロールするというタイトル
の本はたぶんこの感情を否定しているだろうと感じました。怒りのマネジメント・「怒り」の正体などのタイトルは中立的なのではない
だろうか?と感じながら何冊か読むことに決めました。その中で気にかかったものの一つが
『怒りの川田さん』
というものでした。視覚障害のある筆者が怒りを込めて書いた本らしいのです。私は知っていました。基本的に起こっている文章という
のは出版社が出したがらない。多くの人に受け入れられないということをです。トラブルになりかねないということと、売れにくいとい
う二つの問題があるように思えます。それを乗り越えて出された本に何が書いてあるのだろうか?そして、彼と同じように視覚障害のあ
る私と彼の怒りには共通点があるのではないか?そのようなことに興味があって、かなり早い段階でこの本を読み始めました。
導入の部分で気がつきました。彼は社会にだけ怒りを感じているのではない。自分と価値観の違う障碍者にさえ怒りを感じているので
す。この本はすべて読むよりはパラパラと飛ばし読みした方が良さそうだと思いました。それは正解だったと思います。なぜなら彼はあ
る種のサービスを受けている人たちを物乞いに等しいと言うほど激しく非難していたからです。盲導犬と歩くことに関してもかなりの毒
舌ぶりです。この点に関しては彼に同意することはできなかったのですが、彼の多くの体験は自分にも起きていたり、あるいは起こりえ
るだろうと思えるものでした。たとえば自分が買い物をしているにも関わらず店員は連れにしか話しかけないと言った間接的な無視。友
達の体験として書かれていたものの中には、券売機の前で切符が変えずに困っていた盲導犬連れの人の傍で
「わんちゃんはかしこいから切符を買ってくれるはよ。手を貸さなくても大丈夫よ。」
と話している女性たちがいたことなど。これは犬の力の過大評価であると同時に、障碍者の能力のとても大きな過小評価でもあると思う
のです。著者の怒りの根源を整理していくとこの二つの事柄、無視(あるいは無関心)と過小評価に整理できるのではないか。そして、
これら2点は私も同じように怒りを感じているものであり、生涯をかけて改善したいと思い続けていることではないかと思い当たりまし
た。
私が今解決しなければいけない怒りの原因も、過小評価に分類できることです。それをホームヘルパーがしている、というところにス
トレスがあります。、これを摩擦なく解決していくことは本当に難しく避けられるものなら避けたいと感じるのです。そこで役に立つの
がたぶん怒りなのです。このまま過小評価されていてたまるものか!という思いが問題解決のエネルギーとなるのです。そのような私の
行動が、少しでも社会の気づきになればこれほどうれしいことはありません。
一般的な怒りについて考察したかったのですが、かなり特殊な怒りについて言及してしまったように思います。ただ、怒りが悪い状況
を改善する原動力になる、というのはすべての人に共通するのではないでしょうか。そして、特に今の社会は怒りを飲み込むことを私た
ちに強要してはいないでしょうか?これは他の本からの受け売りなのですが、それはコントロールしやすい人間を作り出している。権力
をもったものにだけ有利な仕組みを生み出してはいないでしょうか?そんなことを思いながら、もう少し怒りについての理解を深めてい
こうと思っています。
