デスティニー 【第1章 10話】 | 『デスティニー』 ~運命の物語~ 

『デスティニー』 ~運命の物語~ 

『デスティニー』という小説を書いています。
どうぞ御気軽にご覧下さい♪

2014/12/01
多忙でしたがやっと余裕ができました!
まだ忙しい生活が続きますが
休み休み更新していけたらと思います!
忘れ去られているとは思いますが
またよろしくお願いします♪

「・・・・・つ・・・かれた・・・」

今は3時半。

5時間ぶっとおしの勉強には、先生側のこちらもかなり疲れる。

「・・・・・お昼ごはん・・・って食べたっけ?」

「食べてない」

「・・・・作る?買う?食べに行く?」

「・・・・ファミレスなんかねーよ・・・」

「ハンバーガーでいいって・・・」

「そうだね・・・よし行こうか」

「歩くの・・・?」

「拓くん運動神経いいじゃん!!ってか輝だっていいし・・・」

「・・・ここにいる男子は全員運動神経抜群だって・・・」

「なら尚更行きましょうよ・・・おなかすいてないの?」

「「「「「すいてる!!!」」」」」


・・・・・空いてるんじゃん。


***

「・・・・・・うっまー・・・・」

私たちは6人なんていう大人数でシート席を占領しながら、3時半というおやつ時間にやっと昼ごはんを食べていた。

「はぁー・・・・このまま駅とか行って遊ばない~・・?」

「昨日の今日でまた行くの?金無いわ」

「そうそう!お金のある拓くんのお家や女の子たちと違って俺らには金無いの」

「俺だって残金500円だよ」

拓くんがけろりとして言った。

「・・・・ま、今日遊びに行くっていうのは無しだね・・・てか明日学校なんだし」

「そうだね!んじゃあ綾んちで思いっきり遊ぶか!」

「まぁ・・・それで済むならうちはいくらでも貸しますけど」

「貸すの!?」

「いや、遊び場としてならどうぞって意味だよ?」

「「その言葉!!」」

・・・・だから何なの?それ。

「・・・・・しかと受け取った、・・・でしょ」

「その通り」

「え、それなの!?」

「ま、早く食べて早く帰って綾んちでのんびりしよーぜ」

「「「「だな!!」」」」

・・・・まったく・・・


単純な奴らだ


***

「疲れたああぁ~・・・・」

「もう教科書なんて見たくない!!!」

「・・・・綾ちゃん・・・寝ていい・・・?」

「ベッドは貸せんぞ」

「誰がベッド貸せなんて言った!!」

「だめだよ拓!綾ちゃんの初夜奪っちゃ・・・・きゃっ☆」

・・・・はじめて優斗を殺したくなった。

「・・・彼氏である俺が許さん」

「うわぁぁぁ輝こええええええええっっっ!!!!」

・・・・いい気味だな!うん!

後ろからあの二人の悲鳴が聞こえたが無視し、上にいる寿々と亜衣のところに行った。

がちゃ、とドアを開けると何故か勝手に冷房がついていた。

「ふ――――――涼しい涼しい・・・」

「カイテキカイテキ・・・・あっ綾ぁいらっさーい・・・」

「何勝手につけてんのよ・・・・・外で水でもかぶってくればいいじゃない」

「うーん?・・・・綾じゃあるまいしお断りするよ・・・」

「水かけたのお前でしょっ!?」

「さー・・・?わっかんないなぁー・・・」

・・・・無駄だ。何話してもきっとたぶん無駄だ。

「・・・・・下のクーラーもつけてくる」

今回一言もしゃべらなかった寿々を見ると、クーラーの下で漫画を読んでいた。



下に行くと、あの3人の論争は治まっていた。

「綾、あいつら何してんの?」

「私の部屋でクーラー勝手につけてくつろいでた」

「え、お前の部屋あるの!?」

「・・・ないわけないでしょ・・・」

「え!?行きたい行きたい!」

「だめだぞ拓!彼女の部屋は彼氏限定なんだ――――いってっ!!!!!」

「彼氏限定なんて言ってねーじゃねーか!いつの話だそんなもん」

・・・・いつかはいるのか?

「・・・いや別に入ってもいいけど・・・狭いよ?下にいた方がいいと思うけど・・・」

「あー別に狭いとかいい、いい!てか2人入ってる時点で結構広いんじゃん」

「・・・拓くんって私の部屋なんか入ったことないよね・・・?」

「ないに決まってるでしょ~殺されるから変なこと言わないで綾ちゃん」

「あ、ごめんごめん!じゃあ・・・行きますか?」

「「「おう!」」」

・・・・・・・・・・暑苦しい!


「寿々、亜衣――?入るよー?」

すると、中でがたたっ、とあわてたような変な音がした。

「・・・・・・・・今なんかやってんじゃないの?着替えてるとか」

「輝って人んちで着替える?お泊まり以外の時に」

「・・・着替えない」

「だよね」

「・・・見てくれば?」

優斗がドアを指差して言った。

「・・・うん、ごめんちょっと待っててね」

ドアを少し開けて輝たちに見えないようにするりと入ると、ドアを閉める前に驚きすぎて閉めるのを忘れてしまった。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・なに・・・・・・・やってるの・・・・・?」

そう言ったところでドアの外がざわめいたので、ばたんと閉めた。

「やっ、そのこれはその、出来心でそのっ、はははははは――――――――」

・・・・状況を説明しよう。

クーラーがついている。

箪笥の引き出しがすべてあいている。

服なども無残に放り出されている。

何故か机の上の参考書が開かれている――――――

「・・・・・・・・・・・・・・・・直せ。全て直せ。1分以内に元通りにしろ」

「ひゃいいいいっ!!!!!!!!!!!!!!」

亜衣は私の気迫が今までにない事に気付いたのか、いきなり直立して部屋の中を駆け廻り始めた。

寿々はというと、ベッドに寝転んで漫画を読んでいた。

・・・・いいなぁ・・・・気楽だなぁ・・・(失礼)

「片付け終わりましたっっ!!!!」

「・・・・本当に?」

箪笥引き出しを1段1段開けて確認すると、いつの間にか洋服はきちんとたたまれており、
机の上の参考書は本棚にぴったり収まっていた。

「じゃあ輝たち入れるよ?」

「え、来るの?ここに?」

すると寿々はどかん、と音を立ててベッドからわざと転がり落ち、本棚まで行って漫画を戻してきた。

「・・・そんないいかっこしなくてもいいと思う――――」

「うるさいっ!!!」

・・・はいはい。

私がドアのほうに歩いて行ってドアを開けて、

「お待たせしましたー・・・!」

というと、

「「「おー」」」

という返答が返ってきた。



「おおーう、なるほどね、これが綾ちゃんの部屋ねー」

「なんでこんなかたづいてんの?」

・・・・それは亜衣が今まで以上に片づけたからなんだけど・・・

「彼女の部屋なんて入ったことない」

「え?輝って綾が初カノじゃないの?!」

亜衣がすかさず聞いた。

「・・・・・・う・・ん」

・・・・なんだ、今の間は

「・・・・・まさか・・・他にも付き合ってる子いたの?」

私が輝の顔を覗き込んで聞くと、珍しく弱ったな、というような表情【かお】をした。

「・・・・・隠してるのもいい気しねぇから言うけど・・・・一方的に付き合わされてたことはある」

「・・・・一方的に付き合わされてた??」

「俺は付き合ってるって思ってなかったんだけど、あっちは付き合ってるって思ってたらしくて・・・・って感じ」

「・・・それいつの話?」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「・・・・・・最近なの?」

「・・・・・・・・・・・・あぁ」

・・・・・・・!?

「ちょっと!いつ!?」

「・・・・・・・・・・・1か月前」

・・・・・・・・・・・・・えええええええええええええええええええええええええ!?

「・・・告白されたんだよ。あっちが告白してきたの。そしたら、あんま話したことない奴だったから、分かんないって言って断ったつもりだったんだけど、あっちにはOKって聞こえたらしくて」

「・・・・・だれ?!」

「・・・・・言っていいのかなこれ・・・」

「もう!!輝ってどんな女の子にも優しいからそうなるんだよっ!!!!!」

「・・・・星野。星野、梨奈」

・・・・・・星野さんが!?

「・・・え?星野さんと輝って接点あったの?」

「いや・・、なんかね、幼稚園だかが一緒だったらしくて、幼稚園の時は言えなかったからとか何とかでさ」

「・・・・・・星野さんが・・・」

「ごめんな、話してなくて」

・・・・・・・・・・・・そんなカオされたら、許さないなんて言えないじゃん!!

「・・・・・うん」

輝が笑って、私の頭をなでた。



「・・・・・・・・・・・・・・・・ふぅー―――――――――っ!!!!ばっかじゃねーのお前ら!勝手に修羅場たててんじゃねーよもう・・・」

「・・・・えっ!?あ、悪い優斗」

輝が笑いながら言った。

「でも星野さんが、輝のこと好きだったなんて意外だねぇ」

「・・・・・・・・・輝・・・」

「ん?」

「・・・・あ、いや何でもない・・・!」

輝は私を見て不思議そうな顔をしたが、すぐに思い直したように優斗に向き直った。

「・・・寿々、亜衣」

「ん?」

「・・・星野さん、可哀想だと思わない・・・?」

・・・その場の空気が凍りついたように思えた。

クーラーの空気が異様に寒く感じる。

「・・・・何、言ってんの?綾ちゃん」

「だって、星野さんは何もしてないのに・・・・一方的に晋太郎にいじめられてるんだよ!?それを誰も助けようとしないって・・・私もだけど・・」

「・・・・・・・綾ちゃん、梨奈が晋太郎にいじめられてるわけ――――・・・・・・・・・・・・・・・・・と、これは言えないか・・・」

「・・・・?・・・!そういえば拓くん、星野さんと接点あったの・・・?・・・・あ、無理にとは言わないから大丈夫、ごめんなさい」

「・・・いいよ。この際だから話す。・・・誰にも言わないって、約束してくれる?・・・みんな」

「・・・約束する」

寿々が一番にこたえて、それに皆続いた。

「するよ、・・・俺たち友達だろ?」

「そうだよ」

「・・・する」

「うん、絶対言わないよ・・」

拓くんは皆の答えを確認したところで、息を吸って口を開いた。

「・・・・・・・・あのね、梨奈と俺は幼馴染なの」

・・・・・・えっ、というような小さなざわめきが起こった。

「・・・・たまに会ったりしてたんだけど、その時にあいつの相談なんかのったりしててさ」

「そんときに、たまにいじめられてるって相談が紛れ込んできてさ」

「で、相談に乗るわけなんだけど・・・それが、八木にばっかり原因があるってわけじゃないんだよ」

「・・・え?どういうこと?」

寿々が、拓くんを覗き込んで聞いた。

「・・・・なんか、こう・・・終わりがないっていうか、エンドレスっていうかさ・・・

 八木がいじめるじゃん、梨奈を。そしたら、梨奈は隠れてやり返すわけ。逆いじめってやつ?

 たとえば、八木の上履きに水入れたりとか、八木の持ち物隠したりとか」

「・・・・・・え、じゃあ・・・」

「そう。八木ばっかり悪いってわけじゃないんだよ。そしたら八木だって刺激されるにきまってるじゃん?
 だから、それはやめた方がいいって言ったんだけど・・・今も時々やってるみたいなんだよね。

 て言うか、やり返されて相手にする八木も八木で子供だけど、これって・・・どっちもどっちって言うんじゃない?・・どっちかって言うとさ」

・・・・・・・そうなんだ。そうだったんだ・・・・。

「・・・・じゃあ、星野さんをかばったって・・・八木にも言い分があるから割って入るのはやめたほうがいい、って・・・なる、よね?」

亜衣がぽそりといった。

「そうだね。下手に刺激すると、今度は綾ちゃんがあぶない」

「・・・でも、そしたら星野さんは・・・!」

「綾ちゃん」

「・・・・・・ごめん、なさい・・・」

「・・・いいんだよ、いいんだけど・・・これは梨奈に分からせないと駄目な問題なんだ」

「・・・・・・え?」

「あいつは、自分で分からないと絶対に分からないんだ。昔からそうだった。俺が何度やめろっていっても、耳に入れない奴なんだ」

「・・・・・・・・・・・・・」

「・・・・・だから、かばわないほうがいい。逆に、放って置くべきことなんだよ」

「・・・・・・・・・・拓は知らないかも知んないけど、綾は人の倍正義感強いんだよ」

「・・・・え?・・・輝?」

「お前ってさ、嫌われてる奴とも平気で仲良くしてただろ?小学校の時。・・・なんで?」

「・・なんでって言われると難しいけど・・・・・・なんか、見てて気になるから・・・かな?」

「な?正義感って言ったら違うかもしんないけど、こいつ結構気にする奴なんだよ」

「・・・・・・・綾ちゃん、でもこのことだけは目をつぶってほしい。首を突っ込まないでほしいんだ」

「・・・・・・・拓くん」

「これは、梨奈の問題だから。・・・俺も今、必死で突き放してんだ。・・・突き放したくはないけど」


・・・・・そうなんだ。

・・・これは、二人の問題なんだ。

・・・口に出しちゃいけないことだけど・・・。

「・・・・分かった。口出してごめんなさい。・・・・」

「あ、ううん、綾ちゃんは悪くないよ、むしろ気にしてくれてありがとう」

「・・・・いや、私は何もしてないから・・・」


がたっ。

・・・・何の音?

「・・・・お母さん帰ってきたんじゃない?綾」

「・・・あ!そうかも!・・・・・皆いて平気かな・・・」

「平気だと思うけど、綾のお父さんとお母さんに彼氏がばれかねない!!!」

「あ、大丈夫訊きだされて言っちゃったから…」

「え?」

輝が驚いて訊き返してきた。

「ごめんね、輝!!お父さんがしつこく聞いてきたから言っちゃって・・・・・・でも怒ってなかったから大丈夫・・・・だ、とおも・・う!」

「・・・・本当に・・・?」

「うん!・・・多分平気!!!ちょっと皆、一緒に降りてきてくれる・・?」

「うん」

寿々は真っ先にすっくと立って、それに亜衣が続いた。

後ろの方で拓と優斗が輝を前に押しやっていて、

「なんでだよ!?」

と輝が言って、

「娘さんの彼氏が先頭だろ・・・!!」

「何これカップル順?」

「どうでもいいよ・・・」

「しっ!」

私は神経質に人差し指を唇にあてた。

するとお母さんに気付かれてしまい、

「あら?綾いたの」

「あ、お帰りお母さん・・・お父さんは?」

「お風呂。・・・・後ろの子たちは?」

「えーっと・・・今日なんか家に来た・・・亜衣と寿々と輝と優斗と拓くん」

「あら、大勢来たのね・・・・・・・って輝くんって・・・・」

「あ、えーっと・・・はい、俺です」

「あー!あなたが綾の彼氏さん!?」

「・・・・・・・・・・はい、そう、です・・・」

輝が顔を赤らめた。

「綾、いい男じゃない!!」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・やめてほしい・・・・

「・・・・そうでしょ!!」

開き直ってやったが・・・・どう来るだろうか?

うちのお母さんの性格は、本当に謎だ。

「お父さんにばれたらやばくない?」

「・・・・え?お母さん、私お父さんに言ったよ?」

「・・・お父さんね、本気にしてなかったのよ・・・私も本当だって言ったんだけど、あれ完全に現実逃避・・・・信じてないみたい」

「・・・・・・・・・こ、輝・・・・どうする・・・?」

「帰ろうか」

「えっ!?」

「いやだって・・・お父さんに怒られんの綾か俺かだろ?俺ならいいけど、綾だったら嫌だし」

「・・・・そんなこといいよ・・・!お父さんに怒られるなんて日常茶飯事に近いから!!」

「え!?良くないだろ!!とりあえず・・・」

「泊まっていったら??」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・え?・・・お母さん?」

「このお家に綾が男の子連れてくるなんて、初めてなの!!・・・あ、いたっけ・・・・まぁいいわ!あなたたちさえよければ泊まっていって!」

振りかえると、皆が全員私を見ていた。

「・・・・えーっと・・・ほんと、良かったらだし・・・今日日曜だから、・・・ね?」

「あら、綾・・・明日お休みよ?」

「・・・・・え?」

「綾しらなかったの?明日祝日だよ」

「・・・え?マジで?」

「だから来たんじゃん!」

「・・・・・・・そうだったんだ!!!」

「・・・で、どうする?・・・・・・私は泊まりたいな!!!」

亜衣、相変わらず遠慮がない。・・・・まぁそれがいいとこって言ったっていいんだけど。

「私はいいよ?多少雑魚寝でいいなら・・・」

「えーっと・・・女子の家に泊まるって言って親が勘弁すると思う?」

「俺は大丈夫」

「あ、俺も平気」

優斗と輝は一体何なんだろう?

「・・・・・優斗と輝が一緒って言えば平気かな」

「・・・て言うか、荷物どうする?・・・とりにいく?」

「あ、荷物ならおつかいついでにとってきてくれない?ほら、まだ4時半だし!」

「・・・・・あ、そうなの?・・・・・・てか、泊まる?」

「ああ、泊まるよ」

全員が泊まるのか・・・

「うん、・・・楽しそうだね!んじゃあ取りに行こうか?」

「「うん!!」」

「「「おうっ」」」

・・・・・こんなに楽しい3日があっていいのだろうか。

ほんと、めちゃくちゃで楽しい日だ、・・・・今日は。



***


次回お泊まり会編!!!

ここまでどうしても来たくて長くなっちゃいました(-∀-`;)

すいません!

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※決してアダルトではありません※