先日の、満月。


満月の日にね、
龍神りゅうさんに言われたんです。

「そのぎゅうっと握り締めた手、
少しでええから緩めなはれ。

そのままでは、
自分で自分を傷つけてしまう。」

そう言われるまで、
私は、私が、
手を握り締めていることすら、
気づいていませんでした。

指が白くなるほど。
爪が手のひらに食い込むほど。

気づいても、
緩めることが怖くて。

痛みより、何より、
無くすことが、怖い。

「大丈夫やから。
あんさんの本当に大切なもんは、
逃げていかへん。
大丈夫やから。
ほんの少しでええから、
その手、緩めたって。」

自分で自分を、追い込んでいること。

それは頭では分かってて、
でも、手放すことが、怖くて。

きつく結んだ指をほどくことを考えると、
涙が溢れてきました。

「大丈夫やから。」

りゅうさんに、
これ以上ないほど優しく諭されて、
やっと少し、力を抜くと、

私の手から、
何かが確かに、溢れてこぼれて、
私の手に、
何かが確かに、逃げずに残りました。

「よくできました。」

りゅうさんが、
優しく、優しく、
私の手を温めてくれて、
しばらく涙が止まりませんでした。

キラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラ

そして、今朝方、
尊い別れを経験しました。

とても痛くて、
でも、その痛みは、
私を傷つけることは、
ありませんでした。

手放す時が、必ず来ること。
それは分かっていて、
それが、今朝でした。

満月の日のりゅうさんは、
私にその準備を、
無理なく手放す準備を、
させてくれたのでしょう。

涙と、痛みと、
傷つくことのなかった私。

心に空いた余白のような隙間が、
少し寒いけれど、

私はまだ、生きていける。

キラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラ