試験が終わった当日。

打ち上げ、お疲れ様会あるいは反省会という名の、複雑にたかぶった心を鎮める会。


元々は二人で予約を入れていたのだが、故あって一人。


ここは麻布のミシュラン一つ星の天ぷら店「天よこ田」が梅田に出店した寿司屋。


個室だ。上品なスタートから。

試験でも打ちひしがれた中、一人でワイン飲んだら泣いちゃいそうなのでビールにした。


鱧と松茸の土瓶蒸し


土瓶蒸しの中身

香り。日本人であることの再確認


隣の個室には若いカップルの先客。

もうほろ酔い加減のようだ。


キャビアの塩味でいただく雲丹とイクラ


一人で食事してるから隣のカップルの話がよく聞こえてくる。

どうやら会社の同僚同士で、仕事の苦労話に花が咲く。

この女性には目の前にいる男性ではない彼氏がいるようだ。


鮨その一

ネタは既に仕入れて準備してあるからと、シャリ小さめで二人分出してくれた。心遣いに首(こうべ)を垂れる。


濃い味の茶碗蒸し


女性の話が自身の彼氏の話になる。

あんなことした、こんなことした・・・艶っぽい話も。

無邪気な女性のこんな話は、知ってか知らずか、男性のJealousy に巨大なロンギヌスの槍となって突き刺さるもの。

聞いている男子君の心中お察し申し上げる。

きっと心の中がザラついているだろう。


天麩羅

星付き名店の名に恥じぬクオリティ


あ、男子君、いたたまれずになのか、お手洗いへと席を立つ。

女性はしれっと自分のお酒を追加注文。


アワビ

身を頂いた後、酢飯を肝に混ぜて頂く二段攻撃


いつだってそうさ。

男は温度高く、女はさめている。(このサメテイルという言葉に当てはまる漢字は複数あるな)


雲丹を千葉の海苔で

舌福という言葉があるとすれば、それだ


食べ散らかし途中の鮨そのニ

どれも文句なし


赤だし


カップルはお会計を済ませ店外へ。

ここは信号を渡ればキタで一番の妖艶な街。

二人の今夜がハッピーなものであるよう祈る。


デザートと抹茶

ちゃんとした抹茶は何年振りだろうか


試験が終わって晴れやかと言うより、明日のジョーのように白く燃え尽きた戦士が最後の晩餐を頂くような悲壮感漂う食事になってしまった。

さらに隣の個室の男子君に勝手に共感したりして。


味覚と嗅覚は確実にサムアップしていたのに、喜びは全くない。

何を食べるかではなく、誰と食べるか。

まさにそれを再確認した日曜の夜。

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