最初にお知らせです。
ネットニュース、ツイッター、ブログ等でご存じの方も多いと思いますが、
2月16日に、とごういづみさんご夫妻と支援者の方々で、長崎県議会内で山田博司県議と面談しました。
その記事が
http://www.data-max.co.jp/politics_and_society/2015/02/30600/17_dm1718_03/
児相改善の要望を長崎県知事へ~佐世保児相もう一つの「闇」
とごういづみさんのブログ記事「沢山泣いたんだ・・・。」
http://ameblo.jp/king-sekaifrom/entry-11991880311.html
ここからタイトルの内容に入ります。
記者会見でも紹介されてました「児童養護施設の職員が抱える向精神薬投与への揺らぎとジレンマ」論文(吉田耕平 徳島大学大学院)(「福祉社会学研究10」掲載)の一部を数回に分けて紹介したいと思います。
紹介した後に、私の感想等を書きたいと思います。
<論文の構成>
(はじめに)←とは記載していません。
1 問題の関心
2 子どもへの向精神薬投与
2.1 発達障害と児童虐待
2.2 子どもへの向精神薬投与に関する変遷
3 調査の概要
4 施設職員の語りから
4.1 施設Xにおける医療的ケアの働き
4.2 体罰と向精神薬
4.3 向精神薬の効果および副作用
4.4 向精神薬以外の方法
4.5 コミュニケーションツールとしての向精神薬投与
4.6 考察
5 結論
本ブログでは、(はじめに)と2.4.5を紹介させていただきます。
今回は、(はじめに)のみ紹介します。
※論文より、引用部分は太字とします。
※適宜改行させていただいてます。
(はじめに)
本稿は、集団生活から逸脱する子どもへの向精神薬投与に着目し、児童養護施設という場において施設職員が医療的ケアをどのように受け止め、実践しているのかを明らかにした。
研究方法としては、児童養護施設に入り、施設職員から得たフィールドノーツと参与観察をもとに分析した。
調査の結果、児童養護施設において集団生活から逸脱してしまう子どもは医療機関を受診し、医師の判断のもと向精神薬投与に至っていた。
施設職員は子どもへの向精神薬投与に否定的であり、子どもへの向精神薬投与に疑問を抱きながらも、施設の運営・管理のためには「仕方がない」と納得させている様子がうかがえた。
中には、体罰の禁止が制度化されたことで医療的ケアへと変化したと捉え、向精神薬の使用が子どもと大人との関係をつなぐためのコミュニケーションツールであると認識することで、自らを納得させていた職員もいた。
向精神薬に代わる方法として、職員は大人と子どもとの関係が密になれる環境を整えることや、里親委託を含めた措置変更をあげていた。
だが、子どもが措置先でトラブルを起こすと再び他の施設へ措置するといった形で措置が行われてしまう可能性もあることから、向精神薬投与は処遇しにくい子どもを落ち着かせ、次々と施設をたらい回しにされる措置変更を阻止している点もあることを考察した。