前回は、道具の違いから見た、西洋料理と和食でした。



今回も多種一様性文化と一種多様性文化の続きです。


イタリア料理やフランス料理他数多くの国の料理を食べる時に使うフォークナイフ。




和食や中華等様々な国の料理を食べる時に使う箸。


それらの特徴の違いを考えます。




まずフォークナイフを使って食べる利点は、



「硬い物でも切る事が出来る」



のが最大の特徴だと思います。





箸には残念ながらその機能がありません。




では和食で硬い素材を扱う場合どうするのか?




これは


「調理の段階で切る事」



により解決できます。




トンカツは切られて出てきますよね。




イタリア料理にも似たような料理がありますが、切られてた状態で出てくる事はまずありません。



鴨のローストや生ハム、スモークサーモン等、


「極薄で食べる物」



は、さすがに自分で切るのは難しいので、あらかじめ切られた状態で出てくる物が例外的にいくつかありますが、




ここで考えなけれいけないのは、

箸で食べられる大きさに切って調理する事とそうでない事との、調理の前提の大きな違いです。





これは、調理する者の頭の問題です。




非常に重要と思うのですが、あまり意識していない料理人がいるのも事実です。






私達は小さい時から箸を使って食事をしてます。



箸を使う場合、どんな料理が食べやすくて、どんな料理が食べにくいか意識していなくとも、感覚的にわかっています。





フランスやイタリアの料理人は、皿の上の全ての食材を一口大にするなどとは考えてはおりません。



少しぐらい硬いステーキでも、ナイフで小さく切れば済むことですから。




イタリア人シェフがこの前提を意識せずに和食を作ったら、

私達日本人の感覚と少し違う料理が出来るかもしれません。







逆に、この前提を意識していない日本人がイタリア料理を作ると、


イタリア人の感覚とは違う料理になってしまうかもしれません。




皿の上の食材が全て一口大で、それが親切心なのか、それが正しいのか、それが間違っているのかわかりませんけれど、




自分がイタリア料理を作る限りは、自身の考えた最低限のラインは守りたいと思ってます。




その最低限基準はいくつかの条件があるのですが、その一つがフォークナイフを使って食べる時の食材の大きさです。







今回は食材の大きさだけを書きましたが、次回は「前提の違いで変わる料理の考え方」です。