愛する福島に
久しぶりに訪ねて。
福島は広くて地名を言っても他県からは、なかなか把握しにくい。
福島へ行くと言うとまるで原発事故現場に行くの?と言う顔をされた昨年末から比べたら、段々理解してくれるようになった六月、再び福島へ。
ちょうど福島県の中央に位置する二本松にある農園と有機農業ネットワークにまたお邪魔させてもらった。
今回は、日焼けをしながらだったけど、運良くスナップえんどうを収穫する作業から、細かく切り刻んで測定器にかける行程を体験。
食べる為でなく、放射能検査の為とわかりながら収穫して行く気分は、何とも切なくごめんね。と思わずつぶやいていた。
フードプロセッサーが何十台とあれば良いのだか、底に残留しやすいプロセッサーなので、基本は丁寧に洗って、包丁で微塵切り。
これが結構大変な作業でしかも1キロの量が必要になる。
これを毎回、毎回、やるのだからご高齢の農家の人は、安全な場所だとわかっていても断念せざるを得ない。
国は愚か、県や市町村、はたまた委託をされた農協でさえ手を差し伸べる人員がないと言う。
(実は、ウクライナ基準よりもっと低くてもいい野菜もあるらしい。一年勉強、実践した野菜のセシウム移行率の低さに自信がある農園の方。)
美しい水田を目にして、本当にミュンヘン郊外の様ですねと言ったら農園の方が、
『水が張ってない田んぼがあるでしょ! それはこの二本松のほんの一部で日本の新しい放射能数値より高く数値が出てしまった所がある為、
数値の低い場所も除染をしなさいと通達が来たんです。
最初は、国→県→市→委託された農協から人手を出すからと話があったのに、人手が確保出来ないから自分達でやってくださいと言われてね~。
時期が田植え寸前だった事もあり、
間に合わないと諦めた人もいるし、
自分達の手でゼオライトを何回も撒いて水田を作るのは無理だと諦めた高齢者達の畑が、あの水のひいてない田んぼなんですよ。』
と教えてくれた。
17件の内、僅か4件の農家しか水をひいていない。
県のお金はあるのに人手がないと言う理不尽さ。
農民は被害者であるのに自分達の手で除染すると言う矛盾。
これは全ての被害者に同じ事が言えるのだけど、お金は動くのに人が動けない。
思わずあの資金は何処にと思ってしまうのも無理がない。
県にも尋ねてみたけど、自分達の日常業務に加えての放射能対策だから人手が足りないのか、農園の実情を知る人はほんの僅かに留まってしまってる。
全国からの人員による手助けが必要な事を、また痛感する瞬間であった。
二本松は直ぐ近くに岳温泉があり、本当に美しく恵まれた自然の宝庫である。
有機農業の第一人者もいるくらい、農業には長くプライドをかけて来た。
今回の原発事故で、そのプライドをずたずたにされたのは、人の命を預かる農家の人達。。
生きる事は常にリスクが付き物だが、今回の事故は二重にも三重にも負担を与えてしまった。
電力を使っている私達も、事故の責任はまた別問題として、何かしなくてはと思うのが自然の流れだと感じる。
二本松を後にし、
福島市内に戻り、若い人が集うアイスクリーム屋さんで、若い女の人に何処からですか?と尋ねられ、話が弾んだ。
農家の除染の話になり、市内も自分達で除染してと通達が来ているけど、若い人にはやって欲しくない。どの程度危険なのかもわからないから、、と戸惑う若い女性の気持ちも、今の状況では理解出来た。
お金は集まった。
何処に何をして行けばいいかわかった。
除染が効果があり、ウクライナ基準より低くなる場所も沢山ある。
その器具も購入した。
しかし、人を動かす事が容易でない。具体性が不足している。
これは、全て被害者が理不尽にも抱えている今の問題である。
他県の人手が今こそ必要なのかもしれない。
帰宅した次の日
福島の野菜即売会を東京で手伝わせて貰った。
東京まで、高速代金を節約して一般道で片道6時間。
いろんな農園で収穫された野菜やジュースを集め、運び、
朝早くからの神楽坂、善國寺で野菜売り。。糸口を広げる努力を自らの手でする。理不尽と言う状況を通り越してフランス革命の希望の旗にも見える。
放射能測定の周知も伝えながら沢山の反響と応援には、福島県人でなくても胸が熱くなった。
『がんばってくださいね!』
これがみんなの気持ちなのだと思う。
にわか福島県人、看板娘の様にありったけの笑顔で
『ありがとうございます』と
答えながら。。




