世界は不思議で満ちている。書籍『総門谷』 | ヴィーナス(魅力)の誕生

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星と色の研究家が、人生の神秘を解読します。

皆さま、こんにちは!

 

先月、友人からのおすすめで、高橋克彦氏の『総門谷(そうもんだに)』を読みました。

 


講談社文庫から1989年に刊行された、778ページにわたるSF大作です。

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岩手県で1年間にわたり、UFOの目撃者が続出!
だが、このUFO騒動の裏は?
疑惑を抱く超能力者霧神顕たちは、怖るべきパワーの魔手と闘い、傷つきながらも、ついに魔の本拠・総門谷に潜入した。そこで目にした驚愕の光景とは? 

構想15年を費したSF伝奇超大作。
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SFなのですが、そこに書かれたデータや推察は実際のエビデンスや学術的論拠があるもので、

 

30年以上も前の小説なのに、まるで今、時代がやっとこの小説に追いついたのではないかと思うほどの内容そしてラストでした。

読んでいて、なるほど~とインスパイアされたものを(長文ですが)転載させて頂きます。




●(395P~)
咄嗟に青森の十和利山を連想した。まだ行ったことはないが、その麓には迷ヶ平と呼ばれる高原がある。山の頂上にかなりの規模で平野が広がっているというのだ。

日本のキリスト伝説を普及させた山根キク氏によって、迷ヶ平は聖書に出てくるエデンの園だと提唱されたことがある。

<ピラミッドと山頂の広場か・・・>どうも偶然とは思えない。


この二つには相関関係があるような気がする。古代文明というよりUFOの関連だ。

たとえば民話や伝説の中で神が常に山から降りてくるのはなぜか。


神をUFOでやってきた宇宙人と仮定すれば、すべてに辻褄が合う。(中略)



宇宙人の立場になって考えればいい。

 

人目を避けるから高い山を選ぶ。何度も飛来するためにはなにか目印があればいい。尖った山なら格好の目標だ。そこに着陸可能な広場があれば条件として完璧である。

一方、我々人間の側から見れば、尖った高い山の頂上には神や仙人、天狗が住んでいることになる。

 

神聖で侵すべからざる山なのである。それが山岳信仰を生み、ピラミッド崇拝にも繋がっていった。


山は地上の人間と天上の宇宙人とを繋ぐ接点だ。




●(642P~)
「子牛?彼らが拵えたのは牛の偶像ですか」


「そうだ。奇妙な話じゃないか。聖書の一番最初に神は紙自身に似せて人を作ったと書いてある。ところがイスラエルの民が神だと言って拝んでいたのは牛の偶像だった」(中略)

「牛の一番の特徴はなんだろう?角だよ。角こそが他の動物と牛を区別するものだ。人々は神を角を持つ存在と捉え、牛を神聖視した・・・」(中略)

「傍証は他にもあります。(中略)宗教画の中によく見かけますね。聖者のまわりに丸い光が輝いている。あれですよ。これは神と繋がった聖なる印と見做されていますが・・・

神を宇宙人と考える研究者たちは放射線の影響ではなかったのかと力説している。モーゼが神と会ったのはUFOの中だからあり得ると言うのです。オレも一時期信じかけたことがありましたが、それよりもはるかに面白いことがある。


光の語源です。もともとは角の意味だったんです。



「光と定着したのは、むしろ近世に入ってからです。ルネッサンスの時代に作られたモーゼの像には角が二本つけられているものもありますよ。

その時代には両方の解釈が共存していた証拠です。角が神聖な存在であったこと、それだけは間違いがない」(中略)


「つまり時代が下がれば下がるほど、光は角として理解されていたことが分かります。角ではおかしい。これは光だとするのは、誤った合理性のためなんですよ」(中略)



「(スサノオは)日本神話の中でも、もっとも狂暴な神だ。彼を祀っている神社の御神体がなぜか牛の頭なのさ。」

「エジプトの神官は自分たちの生きている時代を牡牛座の時代と呼び、黄道十二宮の中でも特に牡牛座を崇拝していた・・・アルファベットのAが牡牛の角からデザインされたことは有名な話です。

牛に対する畏敬の念は古代人に共通するものなんですよ」

「それでいながら牛を食料とする習慣も古くからあるんです。その矛盾を説明する答えは一つだ。角しかありません。角こそが神を意味していたのです・・・」


「すると鬼は神でもあり、エイリアンということか」




●(703P~)
「神の故郷ってのはどこなんでしょうね?」

「インドの聖典『リグ・ヴェーダ』には牡牛座の星々とはっきり記されている」
「牡牛座!また牛ですか」

「一番大きな星はアルデバランだが、星々とあるからプレアデス星団の中のどれかだろう。
 

日本では『すばる』と古代から読んでいる星群だ(中略)余談になるが『すばる』の語源を知っているかい?」

「統べる。支配するという意味じゃな。古代日本では王者の象徴として崇められていた星
だ」



●(702P~)
「NASAにも月が宇宙船だと主張する学者が何人かいるはずです。あまりにもバカげた話なので信用する人間は少ないでしょうが」
「根拠はなにかね?」

「たくさんあります。一番面白いのは、月の軌道が正確すぎるということですが・・・計算されたように月は見かけ上の大きさが太陽と一致しています。

 

だから日蝕現象が起きる。なんでもないことのように我々は見すごしていますが、こんなことは実際何十万分の一の確率でしか自然では起こり得ない偶然なんですよ」(中略)


「竹取物語のかぐや姫もその考えでいけば・・・」

「彼女の故郷が月だと書かれたのは偶然ではありません。彼女は光る竹から生まれたことになっていますが、それはロケットの比喩なんですよ。平安時代にロケットの概念はない。身近なものに置き換えるとすれば、光る竹が適当でしょう」

「第一、月が人の住めるほど広い土地だと、どうしてあの頃の人間に分かったんですか?


肉眼では小さなお盆のようなものにすぎない。ましてや自分たちの住んでいる大地が平らだとしか考えていない時代です。もちろん引力も知らない。天上に輝いている月の上に人が立てば、まっさかさまに落ちてくると思うのが普通だ。

今の我々から見ればロマンチックな夢物語のように思えても、あの話は当時の人々にとって常識をはるかに超える発想なんです。

 

作り話ではない。実際にかぐや姫が月に戻ったからこそ、あの話が物語として成立していった。」

 




●(242P~)「今も昔も人間の考えることに大きな違いはない。だとすればナスカの地上絵を作った意図も、今の我々に十分納得できる理由からであったはずだ。

昔だからというあやふやな前提をもとに、我々が納得できない理由を学者たちが持ち出してきても、簡単に信じてはいかんな」


「じゃあ、ピラミッドは墓じゃないってことですか」

「タイムカプセルに近いものだったとオレは思うね。ファラオたちが死後の復活を無邪気に信じていたんだ。でなきゃ、あんなに真剣に建設に取り組むわけがない。」(中略)

「本当に彼らがクローン再生を知っていたとすれば、あれだけの建設に躊躇なく取り組んだことも納得がいきますね。オレがその立場で作るかもしれない・・・ただ、クローンという仮説を認めればの話ですよ」

(中略)「じゃあ、インカの脳手術はどうです。ナスカにほど近いパラカスの丘から何十体もの頭開手術を施されたミイラが発見されています。あれだって千年以上も前のミイラなんですよ」


(転載以上)


ブログでもシェアさせて頂きたいと思い、結果長文の転載となってしまいました☆

世界は、これからずっと後になってから解明されていくことが沢山あると思います。

 

だからこそ、いつでも、様々な考えや広い視点を持っていくことで、新しい時代にオープンになれるのかもしれませんね。

秋の夜長におすすめの良書です。