朝起きると、うにたんは静かに息を引き取っていました。オレンジ色のお口が笑っているようでした。
おさるは、今までのように、泣いたり騒いだりしませんでした。
ただ、淡々と、今日のお教室をしました。
そして、へやに戻っても、うにたんは居ないのでした。
ひさしぶりに一人暮らしに戻った感じです。
恋人で、同居人で、庇護者のようでした。守られている、そんな気がしてました。
これで、第一世代(お池から来た)子はつぶちゃんとちょびすけの2つぶになりました。
残念ながら、うにたんのようにはっきりとテレパシックなやり取りが出来ないですが、第二世代、第三世代と生まれ育っているので、その筆頭格となっております。あと、占春園から来た、新入りサカマキガイ、ペリドットちゃん(通称ぺりちゃん)がいます。でもこの3つぶは見分けが殆ど付かないです(笑)。
今日、その一粒と、第二第三世代の子たち8つぶを里子に出しました。
カダヤシちゃんも、運良く、2匹は雌雄だったようです。まだひれの形は確認できませんが、同じ日に生まれたのに、明らかにカラダの大きさが違います。
でも何かが今までと違う。おさるリウムの楽しげなにぎやかさが欠けてます。
そう、にぎやかだったんです。無音なのに。
おそらくはうにたんが、テレパシーで通訳してくれてたんでしょう(笑)。
他のたにたんやタマちゃんや、カダヤシちゃんにとっては、おさるは庇護者ですが、うにたんは違いました。
うにたんは、おさるリウムを取りまとめ、治めていたのです。
あるときは、カダヤシがチビ介たちを食べたりしないか、動きを追って見ていたこともありました。小さすぎて無理だと確認したようです。
またあるときは、具合の悪い子の看病をしていると、奥の方にいたはずのうにたんがそばに来て、見ていてくれました。
生き物はある程度以上に生き延びると、偉大な何かに変わるんでしょうか。
おさるのことまで、包み込んでくれていたようです。
おさるが「もっと、うにたんが若いときに出会えればよかったのに」というと
うにたんはこう言いました。
「ここまで生きて来てなければ、お前さんのような不思議な人の子は理解できなかったと思うよ」
今日、かゆかゆ病がいきなり止まりました。このかゆかゆ病、実は「障り」でした。
ある日、小石川養生所(植物園)の、とある、びわの樹とびわの樹の間を歩いたとき、突然息が出来なくなりました。
「あぁ、背負ってしまったな。天へ上げてあげなければ。」と思いました。
気の毒な病で亡くなった方々だからです。それで、色々、まぁ、してはみたんですが、やっとこさ落ち着きかけてたところでした。
きっと、うにたんが先導して「こっちじゃよ」と天へ導いてくれたんじゃないかと思います。
うにたんの死はもうずっと予期されていたことで、何度か、情緒の不安定なおさるのために、旅立ちを先送りにしてくれていた感があったんです。
カダヤシが来たことでおさるの気がまぎれることを確認して、最も穏やかな形で旅立っていったようです。
ただ、擦り切れてしまったおさる仙人の精神が、泣くということも、感じるということも、出来なくなっているとは思います。
一人暮らし再開、でもそのうちまた、第二世代、第三世代の中から「ニュータイプ(古い(笑))」が育つことを信じています。
