### タイトル:怪奇な夢の話
都会の喧騒から逃れ、静けさを求めて田舎の山へとキャンプに出かけた俺、ユウスケ。焚き火の前でフランクフルトを焼き、ビールを飲みながらゆったりとした時間を楽しんでいた。
夜も更け、心地よい疲れが俺を包み込む。次第に瞼が重くなり、うとうとと眠りに落ちていった。
その時、突然目の前に現れたのはカッパだった。小柄で緑色の肌、頭には皿を載せている。驚きと恐怖が入り混じった感情が一瞬で湧き上がったが、よく見るとそのカッパはどこか人懐っこい表情をしている。
「お前、誰だ?」と恐る恐る尋ねると、カッパは人間の言葉を理解できるらしく、にっこりと笑った。
「俺は格さんだ。水戸黄門が大好きなんだよ。」
まさかの展開に唖然とする俺。格さんと名乗るカッパは、なんときゅうりではなくお酒が大好物だと言う。そこで、ビールの缶を一本差し出すと、嬉しそうに受け取り、その場で飲み始めた。
カッパが缶ビールを片手に飲む姿はなんとも滑稽で、不思議な光景だった。俺は夢中でその様子を眺めていた。
「ユウスケ!ユウスケ!ねー?いつまで寝てるのよ、起きなさいよ!」
突然、遠くから声が聞こえてきた。目を覚ますと、日が暮れていて、隣には彼女のウミが心配そうな顔をして立っていた。
「ウミ、ここはどこ?」
「何とぼけてるの?お花見してて飲んでたら、ユウスケったら酔っ払って寝てしまって起きなくて、私困ってたんだから。」
俺は夢の中で見たカッパの話をウミにした。ウミは笑いながら聞いていたが、突然「ハ、ハ、ハクション!」と大きなくしゃみをした。どうやら俺は風邪をひいてしまったらしい。
その夜、俺は格さんとの奇妙な出会いを思い出しながら、ウミの特製のバナナと塩辛と牛乳をミキサーにかけた激まずドリンクを飲ませられるという看病を受けて眠りについた。
あのカッパは本当に夢の中だけの存在だったのだろうか。それとも、田舎の山にはまだ未知の存在が潜んでいるのかもしれない。
特製ドリンクのおかげで風邪の熱が引いた後も、俺の頭の中には彼女のウミじゃなくカッパの格さんの笑顔が焼き付いていた。田舎の風景に夢見るユウスケであった。
怪奇な夜に
田舎の夜、キャンプの灯り
心地よい疲れにうたたね
目覚めたら、そこには
緑の肌、皿を載せたカッパ
「水戸黄門が好きなんだよ」
不思議な笑顔で語る
ビールを差し出し、一気に
飲み干す姿、滑稽に
夢か現か、その存在
カッパの名は格さん
都会の友、田舎の夜
交じり合う幻想
彼女の声が響く
風邪を引いていたようで
特製のドリンク、まずくても
看病の優しさ、心に
田舎の風景、夢見る
格さんの笑顔、焼き付く
ウミのそば、カッパの夢
うたたねの中、奇妙な出会い