徳島新聞で連載されている記事「歳々健康」
(健康アドバイザー・大西葉子氏)
先日は『生活の中の価値』でした。
☆☆☆
「健康社会学」の中に
「ベネフィット・ファインディング」という考え方がある。
直訳すると、「利益の追求」という意味だ。
ここでいう「利益」は、金銭的なものではなく、
今まで見過ごしてきた日常の何げない状況から
得る喜びや新たな発見のこと。例えば、周囲の優しさや、
子どもやペットと過ごすひと時などで、これらは
現状の中から生きていく価値を見いだす要素になる。
誰でも、とても苦しい経験をしたり、
困難な状況に陥ったりすることはある。
そうした中、「ベネフィット・ファインディングス」を
持ちあわせることで、希望の光が見えてくるはずだ。
☆☆☆
大西氏ご自身が事故に遭われ体の3箇所を骨折し
歩行困難と宣告された時の絶望感はとても大きく、
想像以上の試練となったそうです…。
けれど、周りの人たちの優しさに触れて、
その試練はやがて他者の苦しみへの理解や、
周囲の人への感謝の気持ちへと変わっていかれ、
独りで立って歩くことに対する気力も生まれました。
その時芽生えた前向きな気持ちは、
今でも人生の支えとなっているそうです。
☆☆☆
私はこの方のような壮絶な経験はしていませんが…
自分ではどうにもならない八方塞がりの状況に
注がれていた繊細で温かい周りの方々の眼差し、
ふと目にしたお花や夜空の星などの自然に
救われたように感じたことが思い出されました。
また、新たな扉が開かれたように感じた知識が
希望の光となり、様々な出来事を通して得られた学びは
今も人生の指針であり大きな支えとなっています。
辛く苦しい出来事に遭遇したり
困難な状況に陥ったとしても…その環境の中から
新しい発見や喜び楽しみを見出していく
「ベネフィット・ファインディング」という考え方☆
今回の記事と直接関係はありませんが…
お気に入りの物語「少女パレアナ」には
まさしくその考えと実践が描かれていて
幾度読み返しても感動して心が晴れやかになります☆
そして今年1月から徳島新聞で連載中の小説「ひまわり」
事故で頸髄(けいずい)を損傷し、
重度の障害を負いながら
弁護士を目指して奮闘する主人公の女性ひまりさん。
太陽の花といわれている向日葵のように
困難な状況にありながらも前を向いて力強く歩む姿。
勇気と希望が込められた喪失と再生の物語です(*^_^*)
(新川帆立氏・作、安楽岡美穂氏・画)