昨日は姫路のイーグレ姫路あいめっせホールで開催された、
姫路ひまわりの会さん発足20周年記念行事

 
『私たちの思い 限りある命』
記念講演会・シンポジウムに参加しました。

 


1997年6月に発足された同会は
姫路市内でがん患者さんの緩和ケアに携わる医師や看護師、
播磨地域を中心に兵庫県内外のご遺族75名が所属されています。
   
http://hyogo-self-help.main.jp/cgi-bin/search_view.cgi?code=234

受付では四つ葉のクローバーをご案内と共に戴けて
そのお心遣いに嬉しく幸せな気持ちになりました
クローバー
会場には会のシンボルである向日葵が、絵とアレンジメント、
そして会員の皆さんの胸元にも飾られていました
ひまわり

総合司会の中本清江さん・廣瀬真生子さん、
今村雅代さんの開会のご挨拶に続いて奏でられた、
伊藤幸恵さん・佐藤勲さんのオカリナ&ギター演奏は
素朴で温かい音色で会場を満たしてゆかれました
音譜

座長である、だいとうクリニック大頭信義先生のご紹介後、
シスター髙木慶子先生の特別講演が始まりました。


『愛しているため、故人を想う時悲しいのです』 と題して

人が悲しみ苦しむのは決して愛する家族や親戚、
友人を亡くした場合のみではない。
その人にとって大切なものを喪失した後に
複雑な悲嘆を経験する場合も多い。
しかし、人間にとってもっとも悲しみ苦しむ悲嘆は
愛する人を喪失した場合であろう。

「喪失と悲嘆」について高木先生は、
悲しみがこみ上げるのは愛すればこそ、と
東日本大震災でご両親と妹さんを亡くされた、
当時中学生だった男の子のお話

小学3年の時に父親を亡くされて
いつ母が「一緒に死のう」というのか
不安でいっぱいの日々を送って来られた、
高校2年生のA君から送られたメール

ハンセン病で亡くなられた方が
両親と兄と姉に向けて送られたお別れの手紙
受け取った兄姉がお感じになられたこと

娘さんを亡くされ、悲嘆を乗り越えるために
世界中を旅したフランスの男性が
最後に日本で出会われた小林一茶の句

マルティン・ブーバー、キルケゴール、
マーガレット・F・バワーズの「あしあと」と共に
それぞれの方々の想いをご紹介してくださいました。

本当に辛い時苦しい時は何も話せない…
『私たちの心の中に亡くなった方への炎が燃えた時に
 悲しいと思うのではないでしょうか』
『非常に悲しい時、大切な方たちが見えないけれど
 私たちに近づいて来てくださったと心で感じる』と
静かに語り掛けられるお言葉は心深くに響きました。


愛する人を亡くすと本当に辛くて悲しい…
それでも愛し愛されることを求めている、
すばらしい人間の姿がある


会場の全員で合唱した「見あげてごらん 夜の星を」
歌っていると温かい思いに満たされました揺れるハート

向こうの世界では悲しむことを喜んでいない。
亡くなった方は人格を保ちながら幸せの中にいて、
私たちに 「がんばって生きてちょうだいね」
「楽しんでね」「美味しいものを食べてね」などと
夜空に輝く星のように私たちに語り掛けている。
愛する人といつか必ず再会することが出来るぴかぴか(新しい)

「私は一生を懸けてそれを申し上げたい」と
髙木先生はお心を込めて仰られました。

休憩を挟んで始まったシンポジウムは
 
『終末期を迎えた患者と家族のケア・
    死別後の家族ケア』
をテーマに

コーディネーター多田淳子さん
パネラーを髙木慶子さん・大頭信義さん
田村亮さん・古家歩さん・今村雅代さん
5人の方々により行われました。
死の臨床研究会の時のように
先生ではなく、さん付けで進行していかれました。
まずはお一人10分間でご自身の活動のご紹介です。

① たいとうクリニック 大頭信義さん


「在宅ホスピスケア 看取りで大切にしていること」

1.24時間、連絡がとれる(先生・看護師)
2.苦痛が強い時は、電話ではなく直接会って対応を
3.進行期には、医療者側から、連絡を(遠慮されるので)
4.笑顔、ユーモアを絶やさずに
5.症状緩和を薬剤に頼らない(食生活をチェック等)
6.食事摂取を強要しない(点滴も)
7.進行期には薬剤を減らそうと努める

② 國富胃腸病院緩和ケア科 田村亮さん


「終末期を迎えた患者と家族のケア、死別後のケア」

医療療養施設での看取りについて
長生きすることと、よい最期は一致しない
苦しくない最期を迎えるためには予後を知ることが重要
弱って行くことを認めることから治療やケアが始まる
→それぞれの症状についての医療・緩和ケアが始まる
予後予測・ACP・緩和医療・家族ケアが必要で
一緒に看取って行きましょうと対応なさっておられます。

③ 看護師 古家歩さん


「限りある命」終末期を迎えた患者と家族のケアについて

訪問看護と訪問介護の違いについてのご説明
「旅立ちを見守るご家族の方へ」
作成したパンフレットを参考書のようにされて、
落ち着いて看取りをされるご家族が多くいらっしゃる
余命を告げられた方が奥様とお花見をされたお写真のご紹介
その患者さんは楽しそうにVサインをしておられました♪

④ 姫路ひまわりの会代表 今村雅代さん

 

「ひまわりの会」 について


20年間にわたる活動の中での出会いとドラマについて
会員の方々についてのご紹介
ずっと使われているひまわりのお花のコサージュ
長く活動が続いていることへの問い掛けには、
「欲が無いから」「同じ気持ちを持っているからではないでしょうか」
多くの方々に支えられて20年目を迎えられたことへの感謝。

続いて5名の方々が壇上に揃われてのシンポジウム

・最期を迎える場所について
・見捨てられ感を持った患者さんについて
・訪問看護師として、どの様に患者さんに関わっているのか

お三方のお言葉を聴かれた髙木先生は
「人は人を大事にしなければいけないんだなと
 いうメッセージを戴いたという思いが残りました」
今という時間、人を大切にしたいと仰いました。

・終末期を迎えた患者さんのご家族に対するケア

不公平感が出ないように、いつもいない方への配慮を促す
施設の場合には、ご家族の体調に注意を払い、
今何が出来るのかを一緒に考えてゆく、
在宅での場合には、今思っていることを聞く、褒める
肯定する、納得されるようにお伝えする 

それらについて髙木先生は
「ご家族の方々の応援部隊でもあると接しています」

・ひまわりの会について

特に初めて来られる方への接し方では
入って来られた時にその方の状態がわかるので
状態に応じて対応させていただいている

「絶対にこちらから聞き出さない、連絡をしない」
傍にいますよ。と、そっと手を肩や膝に置いて
何も言わずに、ただひたすらに待つ
「泣く場所」があるから続いているのでしょう。

・遺族ケアの関わりについて 

髙木先生が関わっていらっしゃる、
はすの会・ゆりの会では

「安心して話が出来る安心安全な場所を心掛けています」

自死遺族の方・配偶者・子どもさんを亡くされた方
それぞれ集まりを別にしておられるそうです。

生死に関することは、その方ご自身で感じるもの
ヒントを提供することは出来る
患者もご家族も同じことが気になっておられる
「見えない世界のこと」なので、
亡くなっても星になって見守ってくださっている、
そういう感性を持った方にファシリテーターになってほしい。
遺族会は、ご遺族自身が振り返られて癒される、
自分の役割を思い出してもらう、
いずれは卒業をして行かれる場所
これから先も遺族会を卒業してくださる方が、
いっぱい出て来られることが大切であり私たちの喜びと
ひまわりの会の方々も思っていらっしゃいます。

どんなスタイル(姿形)で次の世界に行くのか?
ある年輩の患者さんは、ご主人が30代の姿で
その頃のファッションで会いに来られたそうです。
自分は年を取っているから恥ずかしい…と
仰られたエピソードをご紹介された髙木先生は、

そんな愚かなことを考えるのではなく、悩まないで、


『一人一人がとびきり素晴らしい世界を考えること』

もっと豊かな希望を持ちましょうよ!!と、
明るい笑顔で会場にお声を掛けられました
キラキラ

たくさんの方々のお志と支えによって
これまで培って来られた20年間の絆。
「姫路ひまわりの会」の方々の温かさに
ほっこりと学ばせて戴けた感謝のひとときでした
乙女のトキメキ (*^_^*)