NORIKUMAです。

 

 

 

先日、ぐんまちゃんのお誕生日会の様子をTVでやっていた。もう30周年。もう30歳。いや、お互い歳の話はやめておこう。えー

 

 

 

今回は、確定申告時期ということもあり、所得税の事案。しかも、更正処分を受けたのは税理士さんだ。

 

 

 

 

タイトル欄のとおり、「税理士さんですからね・・間違いませんよ。」

 

 

 

 

早速、事案の概要から。

本件は、審査請求人(税理士さんです)が、相続により取得した賃貸用建物に係る減価償却費の金額を定率法により計算し、不動産所得の必要経費に算入して所得税等の確定申告をしたところ、原処分庁が、当該建物に係る償却方法は定額法によるべきとして所得税等の更正処分等をしたのに対し、請求人が、償却方法は定額法であるとしても、その耐用年数に誤りがあるとして原処分の全部の取消しを求めた事案である。

 

 

 

この請求人のお父さんも税理士さんだった。そのお父さんが、昭和63年7月31日に鉄骨造亜鉛メッキ鋼板葺2階建の事務所を新築し、同年8月1日から税理士業の事務所として使用していた。その後、請求人が設立したA社に、A社の事務所として賃貸している。

また、お父さんは、平成19年12月に事務所の改装工事も行っている。

そして、父が死亡したため、相続により事務所を取得し、引き続きA社に対して賃貸した。

 

 

 

という流れ。

 

 

 

請求人は、所得税等の確定申告において、本件事務所に係る減価償却費の金額を、父が行っていた計算に基づいて、償却方法は定率法、事務所の骨格材の肉厚が3ミリメートルを超え4ミリメートル以下のものに該当するとして耐用年数を30年で計算し、不動産所得の金額の計算上必要経費に算入した。また、平成19年に行った事務所改修工事などに係る減価償却費の金額は、償却方法を定額法、耐用年数を30年で計算し、不動産所得の金額の計算上必要経費に算入した。

 

 

 

おや、お父さんの亡くなった日は書かれていないが、平成19年12月に事務所の改装工事も行っているということは、それ以降に亡くなっているんだよね。

 

 

 

国税庁のHPより

「平成19年4月1日以後に取得した建物の減価償却の方法は、定額法とされ(所得税法施行令第120条の2第1項第1号)、この「取得」には、相続、遺贈又は贈与によるものも含まれます(所得税基本通達49-1)。
 ただし、減価償却資産の取得価額及び未償却残額は、相続により取得した者が引き続き所有していたものとみなされます(所得税法施行令第126条第2項)。」

 

 

 

定額法やん。キョロキョロ

 

 

 

いや、事案の概要をよく読むと「償却方法は定額法であるとしても、その耐用年数に誤りがあるとして原処分の全部の取消しを求めた事案である。」

 

 

 

失礼。耐用年数の誤りでしたね。

 

 

 

課税庁は、償却方法は定額法で、耐用年数は30年であるとして更正処分している。

 

 

 

というか・・・・もともと、請求人も耐用年数30年で計算しているんだよね。

 

 

 

ま、兎に角、国税不服審判所は、請求人の主張を認め、処分を全て取り消した(R5.3.16 TAINS:F0-1-1553)。

 

① 償却方法について

 

「平成19年4月1日以後に取得された建物に係る償却方法は定額法となり、この場合の「取得」には、相続によるものも含まれると解するのが相当であるところ、本件事務所は、相続により請求人が取得したものであり、その償却方法は定額法となる。

 なお、本件各工事は、いずれも本件事務所についてされた工事であり、相続により事務所とともに取得されたもの又は同年7月に工事が行われたものであり、その償却方法は定額法である。」

 

 

② 耐用年数について

 

「原処分庁は、本件事務所の骨格材の肉厚が3ミリメートルを超え4ミリメートル以下のものであり、事務所の耐用年数は30年であるとして更正処分を行った。

 しかしながら、請求人提出資料並びに当審判所の調査及び審理の結果によれば、本件事務所の骨格材の肉厚は、4ミリメートルを超えるものと認められる。そして、本件事務所の構造及び用途は上記とおりであり、本件事務所は、耐用年数省令別表第1に掲げる「建物」のうち、「金属造のもの(骨格材の肉厚が4ミリメートルを超えるものに限る。)」の「事務所用のもの」に該当することとなるから、本件事務所に適用すべき耐用年数は38年である。また、本件各工事は、事務所について行われたものであるから、本件各工事に適用すべき耐用年数も38年である。」

 

 

 

この裁決を読んで、慌てて今回の確定申告を見直した方。いらっしゃるはず。

 

 

 

そういうNORIKUMAも、耐用年数を見直した。違っていたら、大丈夫まだ申告期限で間に合う。

 

 

 

このブログのタイトル「税理士さんですからね・・間違いませんよ。」だが、よく考えるとこの請求人、お父さんも請求人も税理士だけど、間違えてた。

 

 

 

ま、結果、この裁決の主文は「原処分は、いずれもその全部を取り消す。」だから、結果はオーライだ。

 

 

 

 

要は、この裁決を読んで、人のふり見て・・・で、自分が間違えなきゃいいんだから。

 

 

 

 

NORIKUMAクマ