アンジ、報告があります。

ママね、お腹に赤ちゃんができたの。
まだアンジより小さな命。

ママはね、アンジの名前を借りようと思っているの。
これはパパには内緒ね。

アンジ。ママは貴方のこと、哀しみだけの存在にしたくないの。ママにとって、貴方はママを幸せにしてくれた最愛の赤ちゃんよ。

貴方を思い出す日

あんじ。

ママは貴方を抱きしめてあげたかった。
今はお姉ちゃんを抱きしめるのと同時に、貴方も抱きしめているつもりで、ぎゅっと包んでる。

あんじは幸せな子供だねって、パパもママもお姉ちゃんだって皆、あんじが産まれて来てくれて幸せって言ってあげたかった。

僕の新しい洋服

ずっとお姉ちゃんのお下がりばかり着させられていた僕。
「まだアンジには分からないから、いいわよね」ってママ達。

僕は男の子なのに、ピンクの肌着や靴下をはかされてた。
まだ僕は気にしないけれど、大きくなって写真を見たときショックだ。
それを気にしてくれたのか、バァバとジィジがお洋服を買ってくれたんだ。紺色のロンパース。
まだ全然大きすぎるけれど、僕は僕の物が嬉しかった。
お姉ちゃんのものばかり使って、僕の物はほとんど無かったから…。
ママはまだ外に出られないから、買い物にも行けないんだって。だから、皆で外に出られるようになったら、アンジの物をたくさん買いに行こうねって約束してくれたよ。
そうやって、お姉ちゃんみたいに、僕の物がたくさん増えるといいな。