出張前の事。



『青木』宛のメール。


ノリメール「第○ホテル、取れなかったけど、どーする?」


青木メール「じゃ、○急は?」


ノリメール「OK」


のやり取り。




ずっと前にこんなメールを見たことがあったけど、

なんとも思わなかった。

普通の仕事仲間だろうと・・。



で、出張前のメール。


青木メール「今日、軽井沢行って来たよ。楽しかった。

        今度一緒に行きたいね。」


ノリメール「おう。早く会いたいよ。

       ムギュ~ってしたい。」


はい。

これで確実。

そっか。

出張先にもいたんだ。

雰囲気で、もう長い付き合いと思われ・・。



一週間の出張は、毎日違う場所に行く。

夕方ホテルに着くと、必ず

「今、着いたよ。これから店長と飲みに行って来る。」

と電話が入る。


夜、ホテルに着くと、決まって

「今、帰ってきた。おやすみ。」

と、おやすみメール。


でも、一日だけ夜のメールが来ない日がある。


ノリの話だと、その店長と飲みに行くと遅くなるので

メールも出来ない。との事らしい。


なんだ。

『女』だったんじゃない。



そう言う怪しい日を作るから、バカだ!って言われるのに。






それでも、毎日の携帯チェックしながら落ち込む毎日。

どうしたらいいのかわからない日々。





そんな時突然、ノリが言い出した。



「土日、バイト始めるよ。」   







その日から、マサと毎日電話する様になった。



マサは、どうして毎日電話に付き合ってくれたのかは

今になってもわからないままだが・・。


この時のアタシは、『ノリの情報集め』だった。


マサ 「しかし、あの女(サキ)、最悪だぜ?

    『男欲しいィィ~』って感じバリバリだし。

    俺も誘われたしさ。

    他の奴も誘われた!って話だよ。

    

    ってか、あのおっさん(ノリのこと)も

    まんまとハマッた!って感じだね。

    見境ないからなぁ。


    笑えるよ。バカだね。」




ノリのバカァ~!!!

そんな女に引っかかったの?

笑いものになってるじゃん。



そう言えば、サキちゃんからのメールで

こんなのがあった。



サキメール「佐藤からバラの花束もらった。

        キモイんだけど。」


って、オイオイ。

佐藤って、ノリの従兄弟なんだけど。

従兄弟の兄さんまでハマッたか。

しかもノリの返事が 


「ハハッ」

ハハッって。

ノリ・・。それはないんじゃん?


しかも、この従兄弟、パートだったサキを

「家が大変だろうから。」と、社長に掛け合い

正社員にまでしてたらしい。





そして、アタシの携帯チェックはまだまだ続く。



その中に、また一人、違う女が出てくる。









「久しぶり~!今、大丈夫?話せる?」



この友達マサ(男)は、ノリの同僚。

結婚当初からの共通の友達。

よく家にも泊まりに来てた。


ノリは早寝だから、夜更かしのアタシと

酒飲みのマサは、遅くまで話をする。

かなりオモシロイ奴。



マサ 「お~!どーした?元気だったかぁ?」


アタシ「マサ?あのね、最近ノリが変なんだけど

    何か知ってる?」


マサ「あ、バレちゃった?やっと?って感じだけどね。」

   「会社じゃ、もうどーよーもない程、ベタベタなんだよ~。」


アタシ「えっ!マジで?何で言ってくれないのぉ?」

    (ま、言えないだろうけど)


マサ「ま、それはさ・・、まあぁねぇ。

   余計なこと言えないじゃん?」


アタシ「そりゃそーだけどさぁ。」

    「ま、いいや。でね、さっきね・・・・・・・。」



さっき起こったこと。

最近のこと。

今までの事。

すんごい一気に話してたら、ふとマサの状況が気になった。



アタシ「ごめん、マサ。今どこ?電話大丈夫なの?」


マサ 「別にいいよ。家だけど。」


アタシ「え?だって奥さんソコにいるんでしょ?」

    「じゃいいよ。また今度で。ごめんね。」


マサ「うん。じゃあ、心配しなくいても大丈夫だからさ。

   元気出せよ!」


アタシ「ありがと。」




そっか。

そうだよね。

悪かったなぁ。


この時から、アタシとマサは、変な関係となる・・・。





   

 








「じゃあ、食べなくていい!!」



おでんの土鍋を食卓から、まさしくひったくり

キッチンのシンクにぶちまけた。



「何すんだよ!」

の声をそのままに

2階に駆け上がる。






でも。

ちゃんと計算しているアタシ。

嫌な奴だ。


早く携帯が見たかったのだ。

ノリの様子が変だったから。


おでんをぶちまけたのは、偶然だけど

ちゃんと片づけが大変じゃないように

シンクにやったし、ノリがそのままにして、

追いかけてこない事も知っている。



怒ったふり・・・。

(って、怒ってはいたのだが

早く携帯を見たかった方が強かった。)







メール送信

pm6:00 アミ

「今からインター乗る。

10:00頃には着くと思う」


pm6:03 サキちゃん

「今、インター降りた。出れる?」




な、なんだ~~~ッ???!!!


時間稼ぎのカモフラージュ?

帰ってきたのは、pm10:30.

この4時間半、楽しかったんだね。


帰りたくないけど、帰らなきゃいけないから

機嫌が悪かったんだ・・。



アタシはどいしたらいい?


ノリは、どうしたいの?


ずっと悩んでいた。




たかが『浮気』と言うけれど。

普通にある話だと思うけど。



ホントに不安だった。

何に対しての不安なのかわからないけど。






何かにすがりたくて・・・、

何かを知りたくて・・・、

アタシはノリの友達に電話する。



この後、この友達と・・・。















ノリの出張から帰ってくる日。



pm6:00にメールが来た。

「今からインター乗る。

10:00頃には着くと思う」


「了解。」


まただ。

なんか違う。


それでもノリの夕食の支度をする。

こんな気持ちで作っても、おいしくないだろうな。

めんどくさいな。なんかやだな。


でも。

今日はノリの好きなおでんを作る。

喜ぶ顔が見たくて。


ノリは、毎日晩酌をするので

メインのおかずとつまみを作る。

今日は、どうしよう。

なんか、違う・・。




ノリの帰宅は、10:30だった。

「ただいま。」

「お帰りー。ご飯あるよ~。食べる?」

「あたりまえだろッ?俺は疲れて帰って来たんだ。」


ん?

なんか機嫌が悪いみたい。



食卓を並べる。

「どうだった?」

「疲れた?」

「混んでた?」


話をしたくて、話題を見つける。

「うん。」

「ああ。」

「別に。」


そっか、疲れてるんだよね。

ごめん・・。


と、突然

「なんだ?このおでん。

まずいな。」



ノリ。

今までそんな事言った事なかったのに。

アタシは、びっくりした。



で、突然キレた。