日曜日

ボクシングの試合

お父さんの体調が悪く

S君の叔母さんと母と3人で応援に向かった


前回来られなかった同級生

ずいぶん久しぶりに見る同級生

同級生の親

お父さんの友人

中高の先生

いつものメンバー


S君は息子の名前の入ったボクサーパンツで

今日もリングに上がった


応援に来られなかったお父さん

毎回S君が色々なモノを背負って立つリング

今回は応援観覧者も前回より多く

対戦も多かったので

全体に盛り上がっていた


KOしてみせる

そう言っていた気迫にあと一歩だったが予想外に

瞼をカットしてしまい中断

判定となった


瞬間カレはリングに手をかけ

座り込んで泣きそうな顔になっていた

終わった・・・

そう聞こえた気がした

しかし判定は3-0

勝利者だった


お父さん

息子

見ましたか。

やりましたよ。


毎回S君が見せてくれる世界

今回カレを目当てに応援に来てる

ボクシングジムの生徒さんも多く

カレが見知らぬ地で

自分なりに世界を作って広げていってる

私にはできないその頑張りや

手にしたモノに

大学は中退したけど

それ以上に得ているものが確実に大きく広く


会う度強くなってる

前に向かってひたすら


S君に明るい世界が広がっていってると感じるから

お父さん

まだまだ応援に行かないと

勝利をみとどけないと


いつも少し恥ずかしそうに

照れくさそうに笑う優しい顔のイケメンS君の

拳に秘められた

全てを見届けるまで

息子が奇跡を起こしてくれないか

病気なんかに負けないでと

祈るしか出来ない


まだ奥さんのところに行っちゃダメ

S君のために

生きて

生きて

その目で

その耳で

その魂で


次の試合は絶対一緒に応援に行くんだから



3勝目 おめでとう