2週間程前

大学長が遠いところ

お休みであろう日にわざわざ

息子に会いに来てくださった


少しだけ(なぜ今?)

と思ったが、先に

「なかなか気になりながら来られず

今になってしまいすみません」

と前置きされた。


他の2名の先生方より小柄で優しそうな方だった


裁判も始まっていないし

加害者への感情も特に無い

と言うか

持たないようにしてるので

話すことは特に無かったが

毎回同じ話

こちらの過ぎた日々や

あの日の後のお友達の話なんかを


黙って1時間ほど聞いてくださった。

それは学長ではなく

一人の子を持つ親として、他の先生方も

そんな気持ちで聞いて下さってるように見えた


学長の目はずっと赤みを含んで潤んでいて

確かに忙しいであろう学長が

こんな田舎に

一日かけてお線香をあげにきて下さった


それだけでもう私としては十分な気がした。


ダンナはまた車の話をし、

譲った相手が一番の親友で

親が地元の名士でその息子である事

等々、、、


吐き気がしたので考えて

「他にも事故後すぐ、申し出は何件もあったのですが。」

と付け加えた。


息子が一人っ子で跡取りであった事に

先生方から触れられた時も

「もう一人と思ったのですが産ませていただけませんでしたので」

と今まで言えなかった事を

ドサクサ紛れに言ってみた。


私が

「人間持ってるお金じゃない

人間力、経験値が大事だし

人にされて嫌だと思うことはやったり言ったりしたらダメだよ」と育てました。

と言ってるのに

「お金はどれだけ有ったって困らないから帰ったら小遣いやるから寄れよ。」

「車もタブレットもパソコンもお金かかりましたが望んだもの買い与えてれて良かった」

と驚くことを学長に話した。


私に向かってしてきた数々を

忘れたとは言わせない


先生方は夫婦の意見が違うと

違和感を感じただろう

利用して申し訳無かったが

少しスッキリした。


今日午前中、月一の老人ホームボランティアカットだった

施設に飾られた七夕に

90歳過ぎの入居者さんで

大のお風呂嫌いなおばあちゃんが

「お風呂が壊れますように」

と願ってると笑って話していた



私には

願う事など何も無かった

決して叶うことの無い

ただ一つの願い


どんなに望んでも

願っても

私から会いに行くまで叶うことの無い想い



息子はあの多くの煌めく輝きの中の

どこに居るのだろうか



どんなに目を凝らしても

見えなくて


会えなくて