先日
一日遅れの中秋の名月を見た
真夜中なのに
空は高く黒く澄み渡り
庭を広く明るく照らしていた
宇宙飛行士になりたくて
JAXAの宇宙少年団に入っていた
中学の時 サンタさんが居なくなる最後の冬に
サンタは天体望遠鏡を持ってきてくれた
何度か月食やスーパームーンを撮ってくれた
一緒に真冬の夜中に月食を待った事もあった
この田舎の作りの広い庭の
あちこちに月明かりで
息子を探してしまうんだけど
「母ちゃん」
と呼ぶ声はどこからもしなかった
葉っぱが擦れる音
水の音がする度、息子の名前を呼ぶのだが
タヌキかネコか
返事は当然無く
「おきしゃしゃま」
に住んでいるのか
無数にある星たちのドレに居るのか
どれだけ眺めても気配も影も教えてくれない
何日も何ヶ月も経つのに
同じ顔で同じ位置で同じ方向を向いて何も語らない息子を
この世とのお別れをして送り出したのに
まだ 頭の心のどこかで 帰って来る
と思って待ってしまう
願望が、嫌なことを忘れたい本能が
そうさせるのだとしても
最後に思うのは
どうして私の息子だったのか
どうして自分で幸せを掴みかけた今だったのか
いつも思うのはこの二つ・・・