私の運営するお屋敷、紫志季乃にて。
ルミナさんのリトリートを開催しました。
お食事を担当してくださったのは、
この土地に移住されたマクロビの先生、美恵さん。
彼女のごはんは、
静かでやさしい味がして
口に入れるだけで、身体が「ありがとう」って言っているのが、はっきりわかる。
その時間の中で、教えてもらったこと。
噛むって、ただ食べものを砕くことじゃなくて
わたしたちの唾液が、食べものに情報を渡しているんだって。
そして、食べものはその情報を受け取って、
今の私に必要なものを届けてくれてる。
この話を聞いたとき、
“食べる”という行為のイメージがまるごと変わってしまった。
今まで、当たり前のように「食事をとる」って言ってたけど
本当は、“いただく”どころか、
こちらからも“与えてる”ってことなんだよね。
食べものをいただくって、命と命の交歓。
呼吸みたいに、与えて与えられてるんだなぁって、しみじみ感じた。
そしてさらに驚いたのが、
美恵さんが教えてくれた、ある食べ方。
「ひとくち食べたら、箸を置いて、200回噛む」
…200回!?って最初は思ったけど、
やってみたら、ほんとうに不思議で。
味がどんどん変化していって、
ただ噛んでるだけなのに、身体がじんわり気持ちよくなってくる。
あれはもう、咀嚼というより、瞑想だった。
あとから少し調べてみたら
噛むことで、いろんな“幸せホルモン”が出るらしい。
たとえば…
・セロトニン(心を落ち着かせてくれる)
・ドーパミン(満足感や快感を高めてくれる)
・エンドルフィン(痛みを和らげて、うっとりした幸福感に)
・オキシトシン(愛情やつながりの感覚をもたらしてくれる)
…ね、そりゃ気持ちよくなるはずだよね。笑
200回噛むことって、
ただ食べ方を変えるってことじゃなくて、
“今ここ”にちゃんと在るってことなんだなぁって思った。
ひとくちに、宇宙がある。
そんなことを思わせてくれるような、豊かな時間でした。
忙しい毎日だけど、
せめてひとくちだけでも、
丁寧に、感じながら食べてみよう。
その小さなひとくちが、
身体と心を整えてくれて
祈りのような静けさを運んでくれるかもしれないから。