皆から忌み嫌われる奴。

 

ゴキ男

 

いつも逃げ足が早く、

黒光で気持ち悪い見た目といい、

『早く●さないと』しか感情が湧いてこない....

 

でもある時.....

 

ゴキ男に遭遇して、

急いで新聞を丸め

叩き●そうとしてロックオンしたら

 

心の中になんとも言えない

声のようなものを感じた。

 

『やめて...足が悪いから。殺さないで。見逃してくれ。』

 

テレパシー的な何かを受けて

 

これには、

私も手を止め、●すのを躊躇した。

 

私の妄想か?

 

おかしくなってしまったのか???

 

でも、そのゴキ男と私の

やり取りの一部始終を家族が見ていて

私が聞こえた内容を伝えたら

確かに他のゴキ男と

何かが違う事は感じたようだった。

 

こちらを見ているようで、

傍に行っても逃げず、ずっと私と話していた。

 

家族からすれば、

そんな事してないで早く始末してほしい

という気持ちに変わりはなかった。

 

確かにそうだと思う。

 

でも、足が本当に悪そうで、

なんというか言葉が話せるような

私達と同じ感情のあるオーラが出ていた。

 

この時も、蜘蛛同様

私は動物を見る時と同じような感情を

事もあろうにゴキ男にまで抱いてしまった。

 

説明が難しいが、

あんなゴキ男を見たのは最初で最後。

 

 

ちなみに、

奇しくも私はそのゴキ男に

最後まで手を掛ける事はできなかった....

 

だがそれから数時間後、

 

誰かが隣の部屋で叫びながら

床を新聞で思い切り叩く音がした。

 

 

 

 

 

さようなら、ゴキ男。