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辞任記者会見の最中、安倍首相は目にいっぱいの涙を浮かべていた。それほどにまで追いつめられていた、この国のリーダーの精神状態。専門家はどう見ているのか。
「国会の所信表明翌日に突然辞任するタイミングや、記者会見でしどろもどろの受け答えをしていた様子を見ると、肉体的にはもちろん、精神面も相当に悪かったのではないでしょうか。専門用語を使えば、精神運動制止と言えるでしょう」と推し量るのは、精神科医の和田秀樹さんだ。精神運動制止とは、いわば脳内の潤滑油が切れてしまったために、思考や行動にブレーキがかかっている状態を指すという。
「このような状態だと、所信表明の原稿を棒読みすることは可能でも、代表質問で起こり得る質問攻めに耐えることは難しかったでしょう。主治医や家族からも、職務の続行にストップがかかったのではないでしょうか。そのことは、記者会見を約20分間で一方的に打ち切ったことからもうかがえます」
相次ぐ閣僚の不祥事に、年金問題、参院選大敗、内閣改造後もまた閣僚が辞任――。こんな状況をつくり出したのは、行政の最高責任者である首相自身とはいえ、かなりの苦境に立たされていたことは容易に想像できる。
精神科医の香山リカさんも、首相が置かれていた厳しい環境を考慮に入れたうえで、こう語る。
「安倍さんは、きっといっぱいいっぱいだったのでしょう」
しかし、同じ状況に陥っても、皆が等しくそうなるものでもないだろう。
香山さんは続ける。
「相次ぐピンチが来ても、長期的視野に立ってチャンスに変えることができる人もいます。けれども、安倍さんは誠実かつ真面目で、裏表のない性格なのでしょう。目の前に起こる課題を乗り切ることで懸命だったのに違いありません」
そのために、自分自身でも気付かないうちに、蓄積していたストレスが限界に達し燃え尽きてしまったというのだ。
「もし、少しでも自分の名誉を守ろうとするならば、きれいな引き際も考えるはずです。でも、今回の辞め方を見る限り、そういう形跡は見当たりません。まさに『もうダメだ』という感じで放り投げてしまったのだと思います」
臨床心理士で矢幡心理教育研究所所長の矢幡洋さんも、唐突な辞任劇は首相の性格によるものが大きいと見ている。
「彼は『自己愛性パーソナリティー』傾向の強い人なのでしょう。このタイプは、自己評価が実力よりも高く、実現が難しいことを夢想し、理想論を言葉にしてしまいがちです」
「美しい国」や「戦後レジームからの脱却」という言葉は、まさにこれに当てはまるのだろう。矢幡さんは続ける。
「そして、こうした人は自己批判の意識が低い。辞任の理由について、自分の責任に言及するよりも、民主党の小沢代表との直接会談を断られたことを挙げていたことからも見て取れます」
自己愛性パーソナリティー傾向が強い人は、ストレスへの耐性が低いこともほぼ共通しており、そのためにうつ病にかかるリスクも抱えているという。矢幡さんは、こうも指摘する。
「自分の思い通りにいかないと、にわかに物事を放り出してしまいがちなのも特徴です」
例えば最近も、遠藤武彦農相の辞任に関して、与謝野官房長官と麻生幹事長が音頭を取り、安倍首相の出る幕はなかったという。これも首相には大きな痛手だったに違いない。
インターネット上で利用者が交流するソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の日記には、自分が落ち込んでいる様を、精神面の不調を理由にモンゴルに帰国した大相撲の横綱朝青龍に例えて 「朝青龍しちゃった」と書き込むことがはやっていた。今度は、安倍首相がその「慣用句」に使われてしまうのだろうか。
ある番組で、小泉元総理の息子が、「父は総理在任中、死を覚悟していると感じた」と言っていました。
総理として一国を担うということは、自分の命をかける覚悟がいるのでしょう。
命を懸ける覚悟の上だったからこそ、カミカゼが吹き、奇跡の衆院選挙の大勝を勝ち得たのでしょう。
それが、いいかどうかは別としても・・・
安倍氏は、総裁選挙中も、著書「美しい国」でも、自分の意思や覚悟を現す事はありませんでした。
多分ご自分自身も、総理として何をなしえたいのか、そのためには何をどうしなくてはならないのか、という目的も戦略も、筋書きさえもなかったのでしょう。
そんな状態のまま、四方八方から攻め立てられ、もともと弱い心がポッキリと折れてしまったのでしょう。
「人気」という、実態のないものによって、実力もなくサポートする陣容もなく選ばれてしまったことが、今となっては、不幸の始まり。
そうさせてしまった風潮を作った事に、我々国民全体にも責任の一端はあると思います。
次は、どうなる?
派閥政治が戻ってきそうな雰囲気ですが、今はそれがいいのかもしれません。
「変人総理」以外では、日本人には、個人で責任を取る体質は、向かないのかもしれません。