この話をする前にリウが抱えている状況を少し説明します。

リウは本来は龍神ではあるのですが、人間の器に入った(宿った?)際にその人間に
本来発現するはずだった人格と混ざり合ってしまい

人間のリウとしての人格とリウの本来の人格(龍神としての人格)の比率が流動的に入れ替わるという状況になっていました。

その為、リウの中には「明るく奔放で、甘い物と鶏肉が大好きな人間のリウ」
「高い声で鳴き、白い花を食む。気高さの中に幼さが見える龍のリウ」が存在しています。

どちらもリウであることに変わりはないのですが龍のリウの方が強く出ていると人間としてのリウの意識は
ぼんやりしているみたいです。

そしてそんなある日。

ふとダイブ界(内界)に視線をやると、何やらリウの様子がおかしい。

見た目こそリウなのですが(龍リウの影響が強いと見た目も龍になっていることがあります)

リウの部屋の高い所(低い棚とかの上かな?)で四つん這いになって鳴いている。

その時の声がやはり自分の中では龍の鳴き声として認識している声なので
(子供の時に聴いた日光東照宮の薬師堂の鳴き龍に近いかも)

「あー、本来のリウが出てきてるんだなぁ」と思いながら見ていました。

本来のリウと言うと語弊がありますが、リウは私でも認識できるように
敢えて自分のレベルを落として自分と接してくれているような気がするのです。
(何度か言っていますが私は霊感が低いorゼロなので霊的存在はほぼ認識できません)

それが幸か不幸か人間と混ざり合ってしまった部分のリウ。

で、多分私だと手に負えないレベルにいるのが龍リウ。

何も知らない人から見たらこの時のリウは「龍に取り憑かれている」ようにも見えるかもしれませんね。

仲間のタルパたちはリウの性質については知っていたからか「ああ、あれね」みたいな感じでした。
(ゼムは年長者としてか「アレそのままにしていいのか?」と少し心配そうでしたが)

それからも龍リウの影響は強くなる一方のようで、しばらくした後また見に行くと
水色がかった白い鱗の龍が体を丸めて眠っているのが見えました。

どうやら完全に龍化していたようです。

まだ人間リウと龍リウが真っ二つに分かれていた頃に見せてもらった龍リウはまさに幼龍みたいな
水色の小さな龍だった気がするんですけど……。

いつの間にこんな大きくなってたのかなあって。
(大きくなると鱗の色が薄くなる的な)

「もしかしたらこのまま戻ってこないかもしれない(少なくとも現時点ではリウは龍リウが優勢になると
人間側が理解できる言葉が話せず、意思の疎通が取れません)」と思いながらも

「これが本来のリウなんだもんな。どうなったとしても受け入れてあげよう」と考えていたら

しばらく経った後に元のリウに戻っていました。

まだ意識までははっきり戻っていないのか、ぼーっとしていたリウ。

最初は人間と混ざった影響から自分がこちらの世界に降りてくるまでの記憶を忘れてしまっていたけど

こちらの世界でたくさん経験を積んで、ご飯も食べて

そうしていつか本来のリウに戻っていくのかなと。今回の一幕でそう感じました。