教会によっては様々でしょうけれど、私たちの教会では毎月第一週の日曜日に聖餐式があります。


もちろん献身したクリスチャンは口にしますが、エホバの証人は年に一回「記念式」と言われる聖餐式があり、キリストの体と血の表象物であるパンとぶどう酒を口にするのは「天的級」と言われる14万4千人の選ばれた地上の残りの者だけです。


「地的級」と言われる信者たちは、表象物を決して口にしてはいけないので、表象物のパンが乗せられた皿とぶどう酒が注がれたグラスを隣の人から隣の人へと手渡していきます。



主人に聖書の真理を教えてくれたアメリカの宣教師は、私からJW式の聖餐式のあり方を聞いて、「Oh!ソレハ トッテモ ヘンデスネ オカシーデス ワラッテシマイマスネ マルデ ディズニーランドノ アトラクション ニ アル 『ホーン・デッド・マンション』ミタイデスネ。(笑)


Angeサン、ホーン・デッド・マンション シッテマスカ? テーブルノ マワリニ ダレモ スワッテ イナイノニ オサラ ニ モラレタ リョウリト、 ノミモノガ ハイッタ グラス ダケガ チュウヲ ウイテ グルグル マワッテイマシタ 


タベルヒトガ イナイ、 デモ、 リョウリ ダケガ デーブルノ マワリヲ グルグル マワッテル ヘンデスヨネ オカシイデスヨネ、ソレトニテイマスネ(笑) エホバノショウニンハ ソレヲ ナニモ ギモンニ オモワズニ ヤッテイルノデスカ? ヘンダトオモワナイノデスカ?」と不思議がっていました。


私は、「組織の教えによると、1935年以降の信者となった者は、『ほかの羊』級といわれ、イエスの新しい契約に入っていないので、パンと杯の表象物にはあずかることができません。」と答えました。


宣教師は、「ソレハ ソシキノ メイレイデスネ デモ、セイショデ イエスハ ナント メイレイシテマスカ?

マタイ26:27デ「また、杯を取り、感謝をささげて後、こう言って彼らにお与えになった。『みな、この杯から飲みなさい。』 ト アリマス ナゼ エホバノショウニンハ イエスノ ハッキリ イッテルコトニ シタガワナイデ ソシキニ シタガウノデスカ? ホントウニ セイショヲ シンジテ イナイデスネ」と話されました。


そのあとも詳しく聖書から、どのような人がパンと杯にあずかれるのかを教えてくれたのですが、どこにも14万4千人だけがあずかれるとは書いていませんし、使徒の働きを読んでも「彼のことばを受け入れた者」「バプテスマを受けた者」「教えを堅く守る者」であるクリスチャンと呼ばれる者全員がパンと杯にあずかっていることが理解できました。



ここでもエホバの証人は、イエス・キリストの「みな、この杯から飲みなさい」との明瞭な指示に従うのではなく、組織の指示に従っていることが分かりました。


それも仕方のないことですね。

彼らはイエス様よりも組織優先であり、組織崇拝者ですから。



その件を学んでいるときに思い出したことがありました。



私が交わっていた会衆に、油そそがれた「天的級」と呼ばれる残りの者である姉妹が交わっていました。


JWの記念式のときには、彼女だけがパンをポリポリ食べ、ぶどう酒を飲みます。




これって、実はあのJW業界では凄いことなんですよ。





だって、記念式のパンとぶどう酒を口にしても倒れないんですから。





私が研究生の時、姉妹達から学んだことは「天的級かどうか分かるためには、もし、パンとぶどう酒を口にするにふさわしくない者が記念式で口にした時、必ずエホバから倒される、打たれる。」との事でした。


エホバから直接打たれるということは、大きな罪をおかしていることですからね…。恐ろしいことです。



「もし、ふさわしければ打たれない、倒されない…。」


「天的級でもない兄弟が、周りから称賛を浴びたいために記念式で口にした時、突然口から泡を吹いて倒れた」


「それはエホバを欺く行為であり、エホバからの裁きだったと言える」と、


そのように、天的級でない者が口にしたら、どんな事が起きるかを姉妹たちから教わるので、口にしようと思う事も、口にする事も私にとっては「罪」というインパクトが強く、最初の頃は、手渡しで回されてきたパンとぶどう酒に触れる事も逆に怖かった経験があります。


あんなに脅かされたら、そのパンとぶどう酒に何か強力な力があり、「食べるなよ!食べたら倒されるぞ!」と目に見えない何かに見張られているようで、記念式でパンとぶどう酒を次の人に手渡すまで緊張で手に汗していましたし、隣の人に無事に手渡すことができると、ホッとしたものです。


本当は感謝して喜びに包まれる瞬間なのに、感謝や喜びどころではなく、緊張感だけでした。



ですから、この天的級と言われる姉妹が表象物を口にしても倒れなかった時、とても感動しました。


「エホバから特別に守られている人なんだな」と純粋に感動していました。



そんな脚光を浴びる天的級が身近にいるわけですから、当然会衆の姉妹達は長老よりも、その姉妹の発する言葉に影響を受けていました。



それはそうですよね。

聖書の中で言われている「忠実で思慮深い奴隷」ですから、天に行けばイエスと共に王となるお方ですし、イエスから特別に選ばれ、聖書を直接理解できるパワーが与えられているわけですから、それはそれは影響力は絶大です。


特別開拓者であり、天的級という二重の肩書は、平信徒のJW信者達からは、現世のイエス・キリストを見ているようなもので、この姉妹にまつわる話は半端なく超自然的な事柄ばかりでした。



いくつかある中で、一つだけ書いてみたいと思います。



この姉妹は、もちろん「特別開拓者」なので、王国のために伝道活動しかしません。

ですから、別の姉妹とパートナー生活をしていました。


かなり田舎の街灯もないような地域に住んでおられ、敷地が広くて古い民家を借りていました。


姉妹は忙しい方でしたから、なかなか交わりを持つことができず、私はいつかこの姉妹とゆっくり食事をしながらいろんな話を聞いてみたいと純粋に思っていました。


「天的級」と言われるくらい、霊的知識や理解を豊富に持っているはずの姉妹ですから、姉妹から聖書の話を語ってもらうと、絶対にエホバの事もよく知ることができる…エホバの事をもっと知りたい…という純粋な期待感がありました。



姉妹と交わる機会があれば、私も招待して欲しいと会衆の姉妹達にお願いしていたので、待ちに待った声がかかった時、それはそれは本当にうれしかったですし、その日、高揚した気持ちで感謝の祈りをエホバに捧げたものです。


その時の感謝の祈りは特別長くて、ホロリと涙しながら祈ったことを覚えています…かなり熱が入っていました。



今あの時の自分の祈りを思い起こすと、かなりカルト思考に侵されていたのですね…。

「何してたんだろ」と呆れて恥ずかしく思います。



その姉妹との交わりが近づいてきた頃、会衆の姉妹から「Angeちゃん、じつは予定されていた交わりなんだけど、今あの姉妹、状況が大変なのよ…。とても今みんなと交わりを持てる状況じゃないのね…。


もしかしたら、交わりは状況によってキャンセルになるかもしれないの。



恐ろしい事が起こっているのよ…。


でも、それは逆に、そろそろハルマゲドンが近いって証拠と言える出来事なのよ。


知ってる?姉妹の身の回りで起きている出来事…?」と言われ、その日は会衆の姉妹達数人で集まり、座談会が行われました。



その出来事を聞いたとき、研究生の私には衝撃的で、本当に何もかも仕事も辞めてエホバの証人として献身しなければ…と焦ったものです。



姉妹達の話によると、最近この天的級の姉妹の身の回りで不可思議なことが立て続けに起こっているそうでした。



事の始まりは、家の中でちょっとした変化がみられたことからだということでした。



姉妹達が静かに聖書を読んでいると、電源の入っていないラジオのスイッチが突然入って、大きなボリュームでラジオから耳をつんざく音楽が流れて、姉妹達を驚かせたことが始まりだったそうです。



それから度々、閉めたはずの部屋のドアがひとりでに開き、何度閉めても、ロックしても閉めたはずのドアが開く現象が起こりはじめ、「悪霊の仕業だ」と気付き始めた姉妹達が二人で祈ると、必ず部屋の壁がミシミシと音を立てて、それでも姉妹が力強く熱烈に祈ると、壁の音が激しく音を増し、男の声で「ヤメロ!!祈るな!」と叫び声が上がったと同時に締め切った部屋のカーテンが、カーテンレールから激しく引きちぎられたそうです。


凄い力で引っ張られたように、カーテンレールも、「くの字」に曲がっていたとの事でした。


さすがにパートナーの姉妹は動揺してパニックに陥ったそうですが、天的級の姉妹は至って冷静でいたらしく、その様子を聞いた姉妹たちは「やっぱり油注がれた天的級は違うわよねぇ~悪霊の攻撃にも平然としていられるなんて、あの信仰心は並大抵の信仰じゃないわよ…。


だって、あのパートナーの姉妹も一応は開拓者よ…。

それなのに悪霊の攻撃に動揺するわけでしょ…。

嵐の中の船の上でパニックした弟子と、その状況下でも平然と寝ていたイエスの違いと同じよね。


すばらしいわ…やっぱりエホバからの特別の保護を確信している証拠よね。」と絶賛していました。




その後、パートナーの姉妹の身の上に変化が起きるのですが、姉妹は家から元気よく伝道に出かけ、共に働いた兄弟姉妹からは、別にこれといって変わった様子は見られなかったらしいのですが、いつもは「ただいま」と必ず声を掛ける姉妹が、何も言わず、音も立てずに帰ってきて、一人で聖書を集中して読んでいる天的級の姉妹の背後にずっと立っていて、天的級の姉妹はその時、どこからか「後ろにいる者を恐れるな!」と声が聞こえたらしく、姉妹が振り向くと、パートナーの姉妹が生気を失った表情でジッと見ていたそうです。



天的級の姉妹は、瞬時に「エホバ」と心の中で祈り、「あらっ姉妹、帰ってたの?お疲れ様、今温かいコーヒー入れてあげるね」と声をかけると、パートナーの姉妹は「今日は疲れてるから、もう寝ます」と言って、部屋に入ったそうです。




ところがその日の深夜、周りが寝静まっている時間に、車の走行音とハイライトにしたヘッドライトの明るさに、天的級の姉妹は起こされたようで、「まさかこんな田舎に暴走族か?」と思ったようですが、外の車は、どうも自分の家の周りを何回も何回も100キロ近いスピードでグルグル同じところだけを走っていることに気が付いて、姉妹が外に飛び出したら、パートナーの姉妹がパジャマ姿で自分の車を運転していて、天的級の姉妹が大きな声で「姉妹!目を覚まして!」と叫んでも止まってくれず、姉妹が「エホバのみ名によって命ずる!サタンよ離れされぇぇえ~!」と叫んだら、猛スピードで走っていた車が急にピタリと天的級の姉妹の数センチ前で止まったそうです。



激しい急ブレーキをかけたように止まった車の運転席の姉妹が、衝撃で怪我をしているのではないかと車に駆け寄ったら、車内の姉妹はカスリ傷一つ負っていなかったとの事でした。



不思議なことは、それだけでなく、あれだけ猛スピードで走っていたはずの車のエンジンが、ずっと停車していたときのように冷たかったことと、姉妹は几帳面なので、いつも帰宅した時は、一日の走行距離を記録しているのに、車のメーター数が夕方に帰ってきた記録と同じ数字のままで、下3桁が「666」だったそうです。



そこまで身を乗り出して生唾を何度も飲み込みながら聞いていた私たちは、「下3桁が『666』だったんだって…」と聞いた瞬間、「ギャァ~!!」と悲鳴を上げて飛び上がり、私の隣の姉妹は私に激しく抱きついてくるし、別の姉妹は泣き出すしと、騒がしくなったのですが、話をされていた姉妹から「ダメ!ダメ!恐れる必要はないのよ!確かに悪霊は霊者だから、私たち人間より力の面では強いけど、恐れてはならないとエホバが言ってるでしょ!恐れることはないけど、決して侮ってもいけないわよね。


天的級の姉妹が証明したように、私たちはエホバのみ名を持っているのよ。


姉妹がエホバのみ名を叫んだら車が急停止したでしょ、『エホバのみ名は強固な塔』ということが証明されたでしょ。


サタンの攻撃に遭いそうになったら「エホバ」ってみ名を叫ぶ事が大切なのよ。


サタンは『エホバ』のみ名を聞くだけでも恐れるのよ。


だから私たちエホバのみ名により頼んで信仰を持っている者をサタンは恐れるから、必要以上にサタンを恐れる必要はないわ。」と周りを落ち着かせていました。




そして悪霊サタンは、いよいよ天的級である姉妹にまで魔の手を伸ばしてきた衝撃的な出来事があったとの事でした。



パートナーの姉妹も正気を取り戻して数日後の夜、二人で聖書研究をしていると、誰かが来た気配もないのに外の飼い犬が何かに向かって異常なくらい激しく吠えはじめたらしく、その異変を素早くキャッチした天的級の姉妹は、外を覗こうとするパートナーの姉妹を制しし、「姉妹、今は祈りが必要です。座って共にエホバに祈りましょう」と祈り始めたそうです。



すると、窓ガラスがピキピキと音を立てはじめ、家の全ての窓ガラスに斜めにクラックが走り、台所ではパリン!パリン!と窓ガラスが割れる音がし、それは悪霊たちが姉妹達がいる家の中に入ろうと、激しく攻撃してきた事を強く感じる瞬間だったようです。



中に入ろうとする悪霊たちに向かって犬が吠え続け、威嚇し、姉妹達を守ろうとしているようで、パートナーの姉妹は、犬を中に入れてあげたい…でも外に出ると危険…という葛藤で泣きながら祈り続けたとのことでした。



中に入ろうとする悪霊の攻撃は朝方まで続き、一睡もせず祈り続けた姉妹たちが太陽の光が差し込んだ家の中を見て、昨晩の悪霊の爪痕の激しさを目の当りにしたそうです。


台所の食器棚はすべて倒されて、中の食器もすべて割られ、床の上は割れた食器と窓ガラスの破片で足の踏み場もなかったとの事でした。



一晩中吠え続け、姉妹達を守ろうとした飼い犬のいる犬小屋に駆け寄ったパートナーの姉妹が、犬小屋の前でしゃがみ込んで、声を上げて泣き崩れたそうです。






一晩中吠え続けた犬は、最後に悪霊に首を一回転するくらい捻られて、犬の顔が逆向きになったまま、長い舌を出し死んでいたそうです。



そこまで身を乗り出して生唾を何度も飲み込みながら聞いていた私たちは「…犬の顔が逆向きになったまま、長い舌を出して死んでいたんだって…」と聞いた瞬間、「ギャァ~!!」と悲鳴を上げて、私の隣の姉妹は再び私に激しく抱きついてくるし、別の姉妹は泣き出してパニックしになり、頭を激しく揺さぶり、凄い形相で「イヤ!イヤ!ヤメテ!ヤメテ!エホバァ~エホバァ~お守りください、助けてくださ~い!」とかなりハイテンションになり、白目をになって口からヨダレを流しはじめました。





天的級の姉妹に起こった出来事より、この姉妹の形相と症状が一番怖かったことを覚えています。




年配の姉妹がどうにかその姉妹を落ち着かせて静かな別の部屋で横になるように連れていきました。



この出来事を話してくれた姉妹が「Angeちゃん、よく解ったでしょ…サタンがいよいよこの地上の『残りの者』を直接攻撃してくるということは、それだけ終りが近い、ハルマゲドンが近いってことなのよ。

今回パートナーの姉妹は一時、悪霊に憑りつかれて支配されたけど…どう?…天的級の姉妹は、サタンからの直接的な攻撃を受けても、何一つ怪我もなく、悪霊に憑りつかれることもなかったでしょ…サタンが家の中に入ろうとしても入れなかったのは、エホバの霊がサタンを阻止したのよ。


天的級の姉妹を攻撃しようとしても、サタンは姉妹の体に触れることすらできなかったのよ。


エホバの霊はサタンよりはるかに強力なのよ。


凄いでしょ。


それだけエホバが姉妹を特別に守っているってことなのよ。」と、エホバのみ力は強力であることを熱く語っていました。



「エホバの民の中心的人物に、サタンが直接攻撃してくることは、いよいよ終りが近いという証拠…。」



その言葉は、研究生の私に強く響いてきました。



その日の帰りは遅い時間だったので、深夜の帰宅路が守られるように、サタンの攻撃を受けないように、その日姉妹が話されていた経験から「エホバのみ名は強固な塔」という事を強く信じて、天的級の姉妹のように、エホバからの特別な保護を受けているわけではない姉妹達は、「だからこそ、天的級の姉妹以上に、エホバのみ名を叫び続けることが必要なのよ」と、帰り道の車内で、家に着くまで「エホバ、エホバ、エホバ」と連呼しながら一人一人を家の前まで送り届け、車を降りても、お互い「エホバ、エホバ」とずっと言い続けているので、「お休みなさい」も「さようなら」も言えず、「エホバ、エホバ」と言いながら手を振り、バイバイして別れました。




そして、いよいよ私はその天的級の姉妹との交わりが実現して、とんでもない経験をすることになりました。