土曜日、mameさんのコントラバスの発表会に行ってきた。


聴かせてもらうのは、昨年に続き2回目。

昨年も出遅れて、2曲のうちの1曲しか聴けなかったが、
今年もやっぱり何のかんのと出遅れ気味で、
予告時間よりは早くついたつもりだが、既に曲は始まっていた…。
途中で入って客席を横切ったりなんかしちゃって、ごめんなさい。顰蹙な客だ。

今年の発表曲は、パガニーニ作曲の
「ロッシーニの『モーゼ』の主題による一本の弦での変奏曲」
というもの。

文字列から、難敵感がありありと漂っているw

とにかく、これが本当に1本の弦しか使っていないんだろうかと思う旋律と音域の広さ。
ト音記号なんか楽勝で出てくる。何の楽器だこれは。

パガニーニといえば、悪魔的といわれるヴァイオリンの超絶技巧で有名だが、
コントラバスのためにもこんな鬼畜な曲を書いていたとは。

しかし、美しい。

mameさんの紡ぐ低音域の響きは伸びやかに豊かで、端々が繊細で、
心にしっとりと沁みてくる。

前夜からその日の朝にかけて、楽器仲間と諍いのメールのやり取りがあった。
日頃親しくしている間柄だけに、いろいろな意味で痛く、
落ち込み半分、むしゃくしゃ半分というような、ささくれ立った精神状態でいた。

そのささくれを、mameさんの音が、そして
懸命に弦に向かう姿が、すうっと撫でてくれる。

もっともっと聴かせてほしい、その音を。
心からそう願った。
1曲(しかも途中から)は、あまりに短すぎて。


mameさんの後に、先生が1曲お弾きになったが、これまた素晴らしかった。
そして、低音の豊かさはやはり、mameさんのそれに共通する。

最後にお話しされたが、mameさんは高校生の頃から(かれこれ15年?)
その先生の元に通っているとのこと。
大学受験の時も、1回お休みしただけだったという。
たくさんいたコントラバスの生徒も彼一人になってしまったが、
立派な社会人になった今も、常に音楽を楽しんでやっている、と。
そんなことが聞けたのも嬉しかった。


真剣に向かおうとすればするほど、難関や厄介事にも立ち向かわなければならないけど、
やっぱり、音楽を自分の手で生み出せるというのは、幸せなことだ。

できることなら、より素晴らしい音楽を、より楽しく。

わずかな時間だったが、気持ちがずいぶん晴れて、
前向きに音楽に、楽器に向かわなきゃな、という思いにさせられた。

帰宅してから、春に自分の発表会で弾いたマリンバの曲「レインダンス」を
久々に弾いてみた。
一応、まだ暗譜で弾けてほっとする。
サボってばかりいるマリンバも、もっと頑張らなきゃ。
せっかく楽器まで買ったんだもの。

mameさん、本当にありがとうございました。
来年こそは最初から最後までしっかり聴かせてもらいますね(笑)


mameさんや先生の伴奏をされていたのは、多分先生の奥様と思われる
ピアノの方の先生だったが、見ているうちに、高校時代、
つき合っていた男の子の発表会で伴奏をしたことが思い出された。

彼の楽器はフルート。
シャミナーデという作曲家の「コンチェルティーノ」という、
美しく、かなり彩りに富んだ佳曲だった。
最後のpresto(だったかな)部分だけは思いっきり崩れたが(苦笑)、
それ以外はいい感じで合わせられたと思う。
決して簡単な曲ではなかったが、彼(相当な実力の持ち主だった)と一緒に
合わせられることが楽しく、幸せだった。
彼とはそういえば、ドビュッシー「小組曲」やサティ「3つの梨の形をした小品」の
連弾もしたっけ。
人と音を合わせるというのは、いついかなる時も胸躍る体験だ。

せめてあの頃ぐらいのピアノの腕が今あれば、
僭越ながらmameさんの伴奏をしてみたいと思うが、
ピアノが完全に物置棚と化し、指が固まっている現状では無理だろう(涙)。
それとも、いつの日か果たせるかな。
或いは、コントラバスとマリンバのための曲を、mameさん自身に書いてもらうとか(笑)。
何か、一緒にできたらいいな、と思う。
そう思わせてくれる、mameさんの響きであり音楽である。


そんなmameさんとは、2週間後に某本番でご一緒できる。
嬉しく、今から楽しみでしょうがない。
彼の透徹した音に見合うだけの音が出せますように。