看護師でフルタイム、自閉スペクトラム症(ASD)の2人の子供と、同じくASDの旦那さんと4人で毎日バタバタしているアドさんです
こんにちは
先日、新しい入院患者さんが入ってきました
典型的なパターンでした。
認知症で高齢、食事は出来るけど摂取量が少く、時々点滴が必要。
在宅介護していたが、介護者の妻や夫も高齢のため限界がきた。
子供はいるけど県外在住のため世話も出来ず、
入院しても洗濯物を取りに来たり、
必要な物品を補充する事も出来ない。
というパターンが本当に多いです
急性期の病院では家族が出来る限りの事をしてもらわないといけませんが、療養型の病院では入院時の書類にサインをしてもらえば後は電話やラインのやり取りと、洗濯物はサービスを利用して、必要な物品は郵送してもらう事で入院が成立します。
新しい入院さんもこのパターンで、
入院してきましたが、本人は病気の事や、
入院している事などはなかなか理解出来ずに、
とにかく帰ると訴えてきます
あの手、この手で忘れられるように声掛けしたり、
家族の面会回数を増やしてもらったり、
医者から説明してもらったりしますが、
早い人で数分でそのやり取りすら忘れてしまいます
中途半端に半日くらい覚えている人がやっかいで、
「さっきから何回も言っているのに」
とめちゃくちゃ怒ってきます
入院している事を言っても
「そんなはずない。どこも悪くない。」
と怒ってきます
動けない人はいいですが、動ける人は
勝手にベットから降りようとして転落、転倒して怪我をしたり、
興奮して怒鳴り散らして、物を投げたりと………
もうこうなったら落ち着かせる薬を使うしかありません
患者さんの命を守っていますが、
本人は認知症があるので理解出来ず、
監禁や誘拐でもされているような恐怖を感じているかもしれません
そして、病気を理解出来ないのに、
熱が出たり、何かあれば点滴や採血、吸引などの
苦痛を伴う処置が行われます
当然暴れて全力で拒否してきます
なので、何名かのスタッフに体を押さえつけられ、
無理やり体に針を刺されます
もう、恐怖以外のなにものでもないですよね
点滴の針を抜かないようにミトンをしたり、
動けないようにミトンをベットにくくられ、手の自由が奪われます。
それでも元気になり、退院できる事はなく、
このまま家に帰れる事もなく、どんどん老化が進み、
最期を迎えます
今はコロナが落ち着いて、
面会も前よりは出来るようになったので、
家族に会える事も増えましたが、
この3年は、家族にも死ぬ直前まで会えず、
家にも帰れず、皆さん、本当に辛そうでした
現在の医療現場の現実でした
次回はこんな時の家族の選択肢の話をします