うこそ 

語り部アロマの紡ぐ「ルネサンス幻影」第11場scene10

聞いていかれませんか。

 

 

ヴェネツィアのアルマーニの館。

食堂で朝食を摂っているとユチョンが話を切り出します。

「今日はミラノに織物の仕入れに行くんだけど、ユノ達も一緒に行かない?大型馬車で6時間ぐらいかかるから、2泊して仕事と観光しよう。どう?」

ジェジュンが瞳をきらきらさせて

「旅行!行きたい。5人で行きたい。ユノ、行こうよ。チャンミン、一緒に熱々でおいしいもの食べよう!」

「いい誘い文句ですね。ジェジュン。行きましょう。噂で聞いたドゥーオモという教会に興味があります。それにミラノ名物のカツレツ・・」

うっとりとご自分の好きな食べ物のイメージの中に入っていくチャンミン。

 

ローマ旅行を思い出したユノはでれっとした顔で、

「ジェジュンとふたりっきりじゃないのは残念だが、まあ、5人で楽しく騒ぎますか!何時の出発だ?」

「10時だよ。準備ができたら玄関ホールに荷物を運んどいてね。チャンミン、言わなくてもバスケット一杯に食べ物用意するから。心配しないで」

妄想世界から帰ってきたチャンミンは

「ユチョン。気が利くではないですか。褒めてあげます」

ふにゃっと笑ってユチョンが答えます。

「ありがと~。みんな、楽しむ準備はOK?」

「「「「もちろんOK!」」」」

声を揃えて返事をします。

 

馬車に乗り込みすこし走り出した頃、ユチョンがユノに聞きます。

「朝から思っていたんだけど・・今日のユノとジェジュン素晴らしく綺麗よね。内側から輝いているっていうか・・。なにかあった?」

「えっ、あ・・いや。その」

しどろもどろのユノ。

ジェジュンはきょとんとして答えます。

「旦那様に愛してもらったの。きゃっ。はじゅかし」

ユチョン予想的中。

「あー。ご馳走様。それにしてもすごい愛の力ね。よっぽど身体の相性がっ!いった!」

 

丸めた紙をユチョンのでこに、クリーンヒットさせたチャンミン。

「さあ、劇の場面設定を決めないと。準備ができないですよ。ね、ジュンス」

「そうそう。僕『伝言しそこなう友人役』だけだと歌えないし。確認したかったんだ」

ジュンスと真面目に相談するチャンミン。

「第1幕は出会いの場、舞踏会にしましょう。まずはジュンスの歌で盛り上げますか。ユンジェは登場するだけで存在感ありありなのでそのままでいいでしょう。ユチョンはナンパでもして嫌な奴を演じますか?」

 

涙目でチャンミンを睨むユチョン。

「俺の、でこの疼きはどーしてくれるのかな?星が見えたし」

「お、わかりきったことを言わせるスケベが何を言う。深く反省なさい。次やったら・・むしりますよ」

「・・・」

ユチョン固まりました。

 

次へ続く。