ようこそ 

語り部アロマの紡ぐ「ルネサンス幻影」第10場scene1

聞いていかれませんか。

 

ユノに「お前は魔力を持っている。俺を落とす為に魔力をつかったでしょ。」と言わしめたジェジュンの魅力。誰もが認めるその魔性を証明する物語をいたしましょう。

 

本日の魔性物語、主人公はユノです。

ユノの小さな頭に長い手足、立ち姿の美しさ、しなやかな筋肉の躍動感、その身体は彫刻家ミケランジェロを虜にしたようです。

 

 

「あ、完成してたんだ」

ユノが大理石の少年像を見つけてつぶやきます。

「なになに。なにが完成したの?」

ジェジュンがユノを見上げて尋ねます。

「ん。俺が17歳のときかなぁ、ちょっとしたことで父親と言い争いになって

『お前はチャンミンみたいに駆け引きがうまくないから、その無駄にでかい図体で荷の積み下ろしを手伝って来い!』

と命令されてしぶしぶ市場で働いたときの話だけどね・・

暑いから上半身裸で働いていたら、ひげのオヤジが近づいて来て言うんだ。

「君の筋肉は美しい!ぜひダヴィデ像のモデルになってくれ!」

「勝手に見ろ!俺は忙しい」

俺は機嫌が悪かったし、暑いしうっとうしいからそう答えたんだ。

そのあと、ひげのオヤジは夕暮れまでスケッチしていたな。

人の視線が痛いと思ったのはこのときが初めてだ。

すごい眼光でにらんでは紙に書くのを繰り返していたよ」

 

 

古代イスラエル王国の少年ダヴィデは石つぶてで巨人ゴリアテを倒し祖国を救った英雄です。

白く輝く少年の立像、そのまなざしはりりしく、相手を威圧しています。

 

次へ続く