今日は、令和 最初の初競りでしたが、
大間のクロマグロに
キロ70万円の値がつきました。
単純計算で、1グラム700円。
頭や骨、血合いなどをみがくと
だいたい半分くらいになりますので、
正身の値段は1グラムで1400円くらい。
1グラムで1400円ですよ!!
すしネタに切りつけると、
1カンの原価は約2万円、
といったところです。
もう10年近く前になりますが、
築地の初競りに立ち合ったことがあります。
そのころは、
「久兵衛+板前寿司連合 vs すしざんまい」
というバトルが始まったころ。
初競りの一番まぐろでも、それまでは
一度2000万という値段がついたことがあったものの、
競り落とした仲卸が倒産の憂き目にあったことから、
価格は500万円前後が主流に。
その後、香港から来た「板前寿司」が参戦するようになり、
次第に加熱してきていました。
市場のマグロは、一度「荷受け」と呼ばれる
競りの主催会社が漁港から荷を引き受け、
時間になると5社が一斉に競りを行いますが、
競りが始まる前に、荷受け会社の見立てで
品質の良いものから、番号をつけて
競り場に並べられます。
そして、
定刻になると「1」のついたマグロから順に、
5社一斉に競りが始まります。
僕が立ち合ったその年は、
すしざんまい が「1」のついた
大間のクロマグロを競り落とし、
意気揚々と運び出しました。
ところが、、
そのあとの「2」のついたマグロが、
350キロ近い、とても大きなマグロだったんです。
それを、久兵衛+板前寿司連合組の仲卸が
「1」のマグロより安いキロ単価で競り落とし、、
それが
「築地初競り一番マグロ」
として報道されました。
つまり、
「初競り一番マグロ」は
「一番品質の良いマグロ」ではなく、
「一本の値段が一番高いマグロ」
だということ。
マグロの質では、
「1」のマグロが上と思われましたが…
「一本の値段で一番高い」とするなら
「単価 × キロ数」で決まりますから、
より大きなマグロの方が良いわけです。
この年、すしざんまい さんは1000万円以上のお金を出して、
「一番」でないマグロを手にして
報道も一切されず、、
さぞや、悔しかったことでしょう。
この次の年から、ほぼ毎年
すしざんまい さんが競り落としています。
その中で、値段も
一気に5000万、1億5000万と、
吊り上がっていきました。
昨年の「3億」(キロ120万)は言うに及ばず、
一本のマグロに約2億円とは、、
「ご祝儀相場」は、伝統としては良いとは思いますが、
あまりいき過ぎてしまうのはどうかなぁ、、
と思います。