先日、3年ぶりに会った友人と占いに行きました。
そこはド昭和感あふれる喫茶店で、そこで食べたり飲んだりすれば、無料で占ってくれる、というところでした。

電話で予約した際に、予約時間の5分前に来るように言われました。
早く来ても中には入れないとクギを刺されていたので、当日早めに到着した時には、一緒に行った友人に
「まだ中には入れないよ」
としっかり伝えました。
でも、彼女はそんなことはお構いなしに、
「もうお腹が空いちゃったから、中へ入ろうよ。食べながら待てばいいよねぇ」
と言って、店の中にどんどん入って行ったのです。
すると案の定、その喫茶店のママさんに
「お電話でもお話ししたように、(占いの)予約の方は5分前にならないと入れません!」
と厳しい口調で言われました。
私は一瞬『もう帰りたい!』と思いましたが、ここで聖霊を思い出し、状況に身を任せることにしました。

時間になって中に入ると、1人が占ってもらっている間に、もう1人が食事をしながら待つシステムであることがわかりました。
友人はお腹が空いているということだったので先に食事をしてもらい、まずは私が占ってもらうことになりました。
持ち時間は1人30分です。

占い師は開口一番、壁に貼ってある紙を指差して、
「まずはこれを読んで下さい」
と私に言いました。
その紙には、
①時間厳守。
②話すのは占い師です。話したいのであれば他へ行って下さい。
③質問は3つまで。
というようなことが書いてありました。
私が読み終わると占い師は、
「どうして時間が守れないの?あなたね、1人で来ればよかったんだよ。そうすれば、あなたはちゃんと時間通りに来たんだよ。友達なんかと一緒に来るから気が大きくなって、ちょっと位いいだろうとルールを破ったりするんだよ」
と怒り口調でクドクド言い続けました。
この占い師の様子から、私は『なるほど、だから無料なのねぇ』と思いました。
まさに「タダより高いものはない」という状況だったのです。
この状況を聖霊に捧げ、ここはとにかく目の前の兄弟(占い師)の話を、何の否定も肯定もせずに、ただただひたすらに聞くことにしました。

それから占い師は次のように語りました。
「自分は46年間、3万人もの人達を占ってきました。あなたがほんの小さな子どもの頃から、私はここに座って占っています。芸能人、政治家、医者、看護師、薬剤師、同業の占い師まで、あらゆる職業の大勢の人たちを占ってきました。タダだと思って冷やかしに来る者もいます。そういう人であっても、あとで病気を見つけてもらったと言って感謝の電話がかかってきたりもします。〇〇さん(女優)は亡くなる3ヵ月前に来られて、私が余命を言い当てたということもありました…」
と、自分がいかにすごい占い師であるかを説明し続けました。
私は内側で自我が反応したがっているのを微妙に感じながらも、これは愛を求める懇請だし、まさに私の投影なのだ、という聖霊の声になんとか耳を傾けて、兄弟の話を聞き続けることにしました。

その占い師は、時々占いらしいことも言いましたが、それは結局自分の話をするためのフリでしかありませんでした。
例えば、私について「夫婦の相性は最悪」だとか「夫は自分勝手ですぐ怒る人」などと言い、「自分の夫婦仲はすごくいい」とか、「自分はこれまで怒ったことがない」などと言いました。
もう酷過ぎて笑うしかありません。
特に「自分は怒ったことがない」ということを真顔で言われた時には、思わず『嘘だろ〜❗️さっきまで、あんなに怒っていたのに⁉️』と大声で突っ込みたい気持ちになりました。
それでも、そういう自我の声を脇に退け、とにかく兄弟の話を聞き続けました。

終盤、占い師は、
「あなたの右側に守護霊が2体と左側に不浄霊が3体ついていますから、それを取ってあげましょう。でも、今日取ってもあなたにはつきやすいから、つかないように護るものが必要です。パワーストーンのブレスレットがいいでしょう。パワーストーンのお店で売っている5000円もしないようなモノはみな偽物です。ここには本物がありますから、後で見ていくといいでしょう」
と言いました。
喫茶店なのにパワーストーンのブレスレットも売っているそうです。

そういえば家を出る前に夫から、
「占いで、壺やハンコを売りつけられるなよ」
と言われたことを思い出して、『正解はパワーストーンでした』と苦笑しましたが、すぐに聖霊を思い出して、話を聞き続けました。
ちなみに、この時一緒に行った友人の場合は、健康食品を勧められたそうです。
この喫茶店は健康食品も売っているんですね。

なんだかんだ30分間、ひたすらに占い師の話を聞き続けた最後の最後に、彼は私の左手を両手で包み込むように握りしめて、
「しっかりお話を聞いてくれたので、嬉しかったです」
と満面の笑顔で言いました。
その声や雰囲気が、それまでとは一転して、別人かと思う程優しい声音で、ゆっくりと話されたので、私は『あー、この人も神の子です』と素直に思えました。

その後、時折この占い師を思い出すたびに、なぜか自分の過去のやらかしも一緒に思い出されました。
どうも私もこの占い師と同様、自分がいかにすごい人間なのかを語り、どんな話題にせよ、結局自分の話をするだけの人間だったと認めざるを得ません。
(めっちゃ、恥ずかしいわ。)
だから、これを聖霊に委ね、赦しました。
もう自分ひとりでしゃべろうとするのはやめて、しゃべるなら聖霊と共にしゃべりたいものだと心底思いました。

T-8.Ⅲ.4:1-8
誰に出会うときも、それが神聖な出会いであることを思い出しなさい。
あなたは、彼を見る通りに自分自身を見る。
彼を扱う通りに自分自身を扱う。
彼について考える通りに自分自身について考える。
このことを決して忘れてはならない。なぜなら、彼の中で、あなたは自分を見失うことにも、自分を見出すことにもなるからである。
二人の神の子が出会うときはいつでも、両者に救済のための新たな機会が与えられる。
救済を相手に与え、自分も受け取ることをせずに、誰のもとからも立ち去ってはならない。
なぜなら、私はあなたを記念するために、常にあなたと共にそこに居るからである。