今月に入って夏のボーナス支給がありました。
残念ながら例年通りとはいかず、かなり減額されていました。
このボーナスの減額は、昨年のコロナ禍以来ずっと行われており、ボーナスの度に支給額が下がる一方で戻る兆しはありません。
「ボーナスが出ただけマシだろう」
という声もあるかもしれませんが、私の場合、年棒制なので実際は給与が減額されたことと同じことなのです。

私の勤務する薬局では、コロナ禍になって以来、処方せん枚数がどんどん減少し、利益はほぼ出ない状態になって久しいのですが、更に追い討ちをかけるように、5月下旬より近隣病院でワクチン接種が始まり、その分の診察時間が減ったため、患者さんが薬局にほとんど来なくなりました。

こんな状況なのに、職場のみんなには危機感がないことが不思議でなりません。
患者さんが激減して仕事がないのにも関わらず、新規にスタッフを増やすし、パートさんは時間が過ぎても居続けるし、備品は平気でバンバン買うし、さらに薬の在庫を4ヶ月先の分まで発注したりなどしています。
この状況はよくないと何度も薬局長さんに進言しましたが、彼女は相変わらず我関せずで、この状況を放置し続けています。

薬局では例年6月は処方せん枚数が一年で一番少ない月ではありますが、それにしても今年の6月は特にボーナスうんぬん以前に、この薬局の存続さえ危ういと感じる程患者さんが少ないです。

社長がボーナスの明細書を配った際に、
「みんなもわかっていると思うけれど、この薬局は利益が出ていないから、ボーナスが出るだけでもありがたいと思って下さいね」
とわざわざ言わんでもいい余計な一言を言うので、私の方も言わんでもいい余計なことをつい言ってしまいました。

「私も毎日、現場で働いている人間なので、ボーナスを満額出すことが厳しい状況なのはよく理解しています。一方、人が余っている状態であることもみんな知っています。なので、減額分を休みで相殺して頂けないでしょうか。今、患者さんが減っている期間だけでもいいので、みんなで順番にお休みを取らせて頂くというのはいかがでしょうか?」
と、早い話しがお金はいいから休みをくれと言いました。

そしたら社長の表情は急に強ばり、
「僕が経営者じゃなければいいってことだねっ!」
とヒステリックに大声で言い放ったのです。
最初は社長のこの反応が全く論理破綻していて、これ以上の話し合いは無理だと単純に思ったのですが、いやいや、これは大変なことを聞いてしまったとすぐに思い直しました。
というのも、こういうセリフが一見何の脈絡もなくいきなり出てくるというのには、それ相当の理由がある訳です。
おそらくそれは、少なくとも一度はこの薬局をM &Aに出す検討をしたことがあり、今もそれを迷っているのではないか、という風に感じました。
なので、いじけている社長をなんとかなだめて、彼が感情的に薬局を売り飛ばしたりしないように対処しなければなりません。

なぜなら、この社長には薬局を潰した前科があるからです。
社長は過去経営していた薬局を従業員ごと丸ごとM &Aに出し、結局そこで働いていた人たち全員が辞めたという話を、その薬局の当事者に聞いたことがあるのです。(みんな解散って、寂しすぎる…。)

考え方によっては、経営者が変わった方が待遇がもっとよくなる可能性もなきにしもあらずですが、普通に考えたら利益率の悪い薬局を買い取った場合、今以上に待遇がよくなることはないでしょう。

正直、多少待遇が悪くても、大してストレスもなく比較的手に負える仕事と、何だかんだ愚痴っても結局仲良しの職場の人間関係をそうやすやすと手放す気にはなりません。
転職して一から仕事を覚え、人間関係を作るなんて、余程のことがなければ考えられません。

ここで聖霊を思い出しました。(赦し)
社長に対する私の悔しい気持ちはさっさと脇に置いて、
「いいえ、そんな風には思っていません。ただの提案ですから、ダメならダメでいいんです。出過ぎたことを申し上げて、本当に申し訳ありませんでした」
と謝罪しました。

ここはなんとか話題を変えて、社長には前向きな気持ちになって頂かなくてはなりません。
とにかく聖霊だけを念頭に置き、自分の意見が退いた途端、
「そういえば、ワクチン調整の方はどんな感じですか?せっかくなので、私もお手伝いさせてもらおうと思うのですが…」
というセリフが出て来ました。

『えー!休みが増えるどころか、逆に休日返上で働くことになるじゃん!』とは思ったものの、もう口から出てしまったものは取り消せません。
社長はこれまでの態度を急変させて、
「あっ、そう⁉︎本当にやってみる⁉︎」
と満面の笑みで答え、その後は立て板に水の如しに、ワクチン調整•充填作業について熱く語り始めました。

という訳で、社長のご機嫌は何とか回復したものの、私は早速日曜日返上でワクチン関連の研修会に参加することになりました。
この研修会の参加は全くのボランティアで交通費さえも自腹です(泣)
もう何やってるんだか、私…。(←赦します!)

W-pⅡ.14.3.4
私たちはすべての人を兄弟として眺め、すべてのものごとを親切で善きものと知覚する。

休みが増えるどころかかえって休みが減って、なんだかなあ…とは思ったものの、いざ研修会に参加してみると、ワクチン接種の最前線で活躍したいという意識高い系薬剤師さん達が大勢参加していて、実は雰囲気がとても良かったりしました。
『おお、なんかみんな格好いいぞ〜』(ちょっと感動)
ここで良い刺激をもらい、なんだか私も頑張ろうという気持ちになりました。

これも聖霊のお導きですね。
この仕事を喜んでやらせて頂きます。
まさかボーナス問題がきっかけで、ワクチン調整•充填作業に参加することになろうとは思いもしませんでしたが、今は人生初のお仕事と、共に働く兄弟たちとの新しい出会いをとても楽しみにしているところです♪

W-pⅡ.359
神からの答えは何らかの形をした平安である。苦痛はすべて癒やされ、不幸は喜びに入れ替わる。すべての牢獄の扉は開かれ、あらゆる罪が、一つの間違いにすぎなかったと理解される。