ローマ観光について、ネット情報を見ていたら、ダン・ブラウン著の「天使と悪魔」を読むといいとありました。

そういえば、ダン・ブラウン原作の映画「ダ・ヴィンチ・コード」「天使と悪夢」「インフェルノ」の三作品をだいぶ前に観たことがあり、
どの作品も複雑で、なんだか怖い映画だったと記憶しています。


いくら作品の舞台がローマとバチカンだからといって「天使と悪魔」を読むように勧められても、ローマを知る程に(といってもガイドブックレベルですが)、神の愛を思い出してドキドキしているテンションで、おどろおどろしいミステリーに浸る気にはなかなかなれません。


そう思いながらも、手取り早く本ではなく映画で観ちゃえと、Amazon prime videoで「天使と悪魔」を観ました。
 

案の定、映画の中で、枢機卿たちが胸に焼印を入れられた上に惨殺されたりして、この作品は結構グロいです。

土を口に詰められて窒息死したり(遺体をネズミがかじってた)、火炙りされたり(悲鳴がとにかくすごい!)、胸に穴を空けられた人に人工呼吸をしたらピューっと血が飛び散ったり、身体に重りをくくられて噴水に投げ込まれたりと、

身体にまつわる恐怖を煽る煽る。

いやいや〜、なかなかのものです。

 

よせばいいのに、食事をしながら映画を観ていたのですが、不思議と平気で食べ続け、見続けることができました。

目の前で起きていること(映画)に全く影響されずに、食事は食事でおいしく食べられるということが、なんとなくおかしかったです。

この結構グロい映像を観ても影響を受けないって、なんだか素敵じゃない⁈

 

そういえば、話が変わって恐縮ですが、

ほぼ同時期に、ハリーポッターの全巻読み直しなんてこともしていて、ちょうど第5巻「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」に出てくるドローレス・アンブリッジ(魔法省から来た嫌な女)が登場するシーンを読んでいる時にも同様の不思議さを感じました。

この部分は、いつもなら読み飛ばしたくなる程、不愉快な嫌な気持ちになるのですが今回は全くイライラしません。

穏やかな気持ちで読むことができたのです。

 

更に、こんなこともありました。

一昨日、薬局での仕事中、患者さんがものすごく怒って、

「いつまで待たせるんだ〜」

と大声で言われた時のこと。

いつもなら動揺して『聖霊、助けて〜』となるのに、今回は全く動揺せず、穏やかな気持ちで患者さんに対応することができました。

結局、その患者さんは、すごく怒っていたのにお薬を受け取って帰られる時には、

「なんだか悪かったね」

と穏やかな口調でおっしゃったのです。

それがすごくやさしい感じだったのでかえって不思議な感じがしました。

(聖霊ありがとう。)

 

外側の状況(映画や本も含めて)では、今までなら動揺して当然のことが起きているのに、内側では穏やかな状態でいることが、この頃よくあります。



さて、話を戻すと、

「天使と悪魔」を映画で観ても、ローマ観光の参考にはあまりなりませんでした。

というのは、事件は夜起こっていて、どの映像も暗いのです。

風景はもちろん、教会や彫刻もあまりよく見えません。

ラングドン教授(主人公)の歴史や宗教にまつわるウンチクも映画のセリフとして語られちゃうとほとんど頭に残りません。

難解でグロい映画だけど、それなりに面白かったという印象で終わりました。

それで結局じっくり本で読んでみました。

そしたら、ちゃんと面白いのです。

映画と全然違います。

ローマ、バチカンの歴史、キリスト教ローマカトリックの背景、ガリレオ・ガリレイ、絵画、彫刻、建築についてのウンチクがてんこ盛りに語られています。

なかなかの教養書の趣きさえあります。

ローマ観光前に一読する価値は、確かにあると思いました。

 

ついでなので、フィレンツェが舞台の「インフェルノ」とイタリアは関係ないけれど「ダ・ヴィンチ・コード」も本で読み、さらに映像でも観ました。

いずれも、本の方が圧倒的に面白かったのですが、映画もそれなりに楽しめました。

主演のトム・ハンクスの演技も好きです。

 

なんだかんだキリスト教にまつわる芸術には、ドキドキを感じるので、どうも神の愛を思い出しているのだと思います。

おかげで、グロいミステリーを読んだり観たりしても、心穏やかでいられます。

 神の愛は最強だと改めて認識しました。