GWは自分自身を棚卸できる機会でもありますので、今回は思いっきり実用書です。
ちょっと昔に読んだ本ですけとどね。
この1冊ですべてわかる 会計の基本/日本実業出版社

¥1,620
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以前、小さい組織で事業統括を担当したことがありました。
元々宣伝・販促畑出身で、会計なんてチンプンカンプンだったため、短期間で財務諸表を読めるようになるために買った本です。 有楽町の三省堂で、一時間くらい他の会計本と比べて何冊か買った本のひとつ。
ちなみに、私がこの本を選んだポイントは以下です。
仕訳のロジックが理解しやすい
えっと、初心者が会計でつまずくのは、「借方・貸方」ではないかと思うんです。
で、ぶっちゃけ事業統括担当からすると、細かい簿記ルールなんかどうでもよく、財務諸表の数字から、何を読み解くかが大事だったりします。
で、ありがちな会計の本って、経理の実務担当者向けで、細かすぎてますます混乱したりします。
本書ではP/L、B/Sのカタマリから、仕訳ルールを説明しているので、会計のルールを大づかみで理解することができます。
P/L(損益計算書)、B/S(貸借対照表)、C/F(キャッシュフロー)の関係性がわかりやすい
多分、ほとんどのビジネスマンにとって、P/Lは違和感ないと思うのです。
売上から原価と経費を控除すれば、それが利益になる。
減価償却とかのれんとか、請求書の額と会計処理が一致しない項目については多少理解の濃淡はあると思いますが、P/Lはとてもわかりやすい。
対してB/SとC/Fは難しいですよね。
理屈上は「B/Sは、ある瞬間(決算時期)の資産のスナップショット」「C/Fは支払・入金サイトを加味した資金の流れ」と理解できるものの、数字がどこでつながっているかはわかりにくい。
本書では上記をサラりと解説していますが、財務諸表感の繋がりは理解しやすい一冊です。
減価償却・引き当て金の説明がわかりやすい
素人がP/Lで躓くのはここかと思います。いわゆる「非資金項目」といわれるカネ。
減価償却とか、賞与引当金とか貸し倒れ引当金とか。
請求書の処理と、P/Lヒットする額が異なるため、頭の中が「???」となってきます。
ものすごい丁寧に書かれている、というわけではありませんが、本書は及第点かと思います。
ただの会計実務だけでなく、その先の知識が書かれている
これが一番大事だと思うのですが、会計を勉強したい人って、別に簿記をしたいわけじゃないと思うんです。会計というルールを理解するのはもちろん、そのルールを理解したうえでその先のM&Aだったり、上場だったり、IFRSだったり、その先のキャリアに繋がる仕事の知識を得たいわけです。
すぐにそんな仕事を任されるわけじゃあないですが、機会あればできるようになっていたいですよね?「わが社の企業価値は…」を自分のチカラで計算してみることは無駄ではありません。
本書では、あくまでさわりではありますが、「EBITDA」「EVA」「ROA/ROE」等の考え方についても、解説をしています。本書はあくまで実務書ですが、本書とセットでM&Aに関する本を読むことで、実務として携わる業務(日々の収益管理)が、未来の自分のできるかもしれない仕事(M&Aや、事業譲渡など)とつなげて考えることができます。
まとめ
本書は、会計書籍の中でも、「大づかみに会計を理解したい」という方に相応しい本かと思います。特に、新米統括担当者にお勧めしたい一冊です。
お薦めな読み方としては、『中小企業診断士』のテキストの「財務」あたりを一緒に読み、
自社のP/LとB/Sを3期分くらい自分でExcelに入力しながら眺めるのが良いと思います。
新米統括の方はお試しください!