こんな空間が恵比寿に。

立派な松をくぐりやってきたのは
恵比寿にある日本料理「くろいわ」さん。
こんな本気のお店だとはつゆ知らず
よくわからないままお店で待ち合わせ、
私のほうが先に着いてしまった!

「まずはこちらへ」とお茶室に通され
見知らぬご夫婦のお隣でお点前を頂くことに…(汗)
ブーツを脱いでお茶室に上がろうとしたら
が、ががーーん。
や、やばい

タイツの先に穴が開いている。。。恥ずかしすぎる。
言い訳だけどこの日は恵比寿~日比谷を歩いたのよ。
普段は穴なんて開かないよぅ。
なんとか親指を丸めて隠しながら進み
薄笑いでその場を乗り切る私…。
完全にテンパってしまい
お茶室の様子は一切写真を撮れなかったけれど
床の間の新春のしつらえが素敵でした。
遅れること8分。
(この8分は永遠に感じた…)
友達が到着して無事にお食事スタート。

まずは節分にちなみ、お豆の入った白湯を。
「うずみ豆腐」
写真右下のお料理。
お豆腐がうずもれて見えないことから名付けられたお料理だそう。
すっぽんのスープで体が温まります。

続いてお椀。
うずらに水前寺海苔を添えたもの。
水前寺海苔の歯ごたえが面白かった。

真鱈の白子とたらの子の焼き物。
うーまーすーぎーるー!!!
焼き白子って
外側の皮がプチっとはじけて
中からふわとろっとした白子が広がる瞬間が
なにより美味しい。

向付けは鯖とクエ。
右手前は煮こごり。
二杯酢にわさびをといて食べるのが茶懐石なのだそう。

海老芋とウニの焼き物。
千枚漬けを添えて。
立派な海老芋はねっとり濃厚でした。

八寸。
なまこ、いわし梅煮、葉の花の黄味酢掛け。
恵方巻、おあげ、からし菜のわさび和え。
ひいらぎの葉が飾られているのは
そのトゲで鬼が逃げていくように。
普通は八寸皿に盛るところを
あえて2つの升を使い、お箸を1本渡して
お料理を盛ってあるのは珍しい!
「升升半畳」→「益々繁盛」
おお、なるほどー。
ひとつひとつに意味があるのね。

ここで箸休め。
深煎りしたほうじ茶ゼリーに
ザクロといちご、黒豆が。

ぶりの大根鍋。
葛でといた大根おろしがたっぷり!
お出汁がよく効いていて
ぶりにも下味がしっかりついています。

中には湯葉も入ってました。
ぶりの火の通り具合が最高!
生臭くないのに、火が入りすぎてなくて。

最後はごはんとお漬物。
茶懐石らしく一文字によそってくださいます。
おかかやおじゃこ、海苔の佃煮を添えて。
ごはんは土鍋に3合も!
もちろん食べきれないので
帰りにおにぎりにして持たせてくださいました。
そして、このお漬物が最高にうまい!
お漬物を一番に褒めるのはどうかと思うけど
これだけ買いに来たいくらいです。ほんと。

最後はおかみさんが手作りされたという
上生菓子を。
この中から1種類選んで頂きます。
え、選べない…。
2つじゃダメですか?って聞いたら
意外に食べられたのかなぁ。
勇気がなくて言えなかったわ、後悔。

「雪和香」
やまといもの生地のなかに酒粕餡が入っています。
薄いピンク色の花が雪の下から透けて見えて
春の香りが感じられる様子を表現したお菓子だそう。

最後は干菓子で〆。
節分なので五色豆、
そして生姜くるみが一つだけなのは
偶数よりも奇数のほうが縁起がいいかららしい。
ほーーー。
いやー
お茶席から始まりなんと5時間近くかけて食事しました。
時間をかけて説明してくれるから
お料理好きな人や器などに興味がある人には楽しいお店です。
こちらの料理長?オーナーさん?
私よりも全然若い方でこれまたびっくり。
恵比寿のいい場所に
これだけのお店を構えられるなんて
よほど腕がいいんだなぁって。
お金がたまったらまた来たいです。