老後資産用に投資マンションを4戸も買って1億の借金をしたキャリアウーマンの末路

 

都内在住のAさん。実家あり。独身。50代、大手企業に勤めるキャリアウーマン。年収は約1000万円。預貯金も潤沢。

 

しかし……。

 

不動産投資会社の言いなりになって、新築区分ワンルームマンションを4戸購入し、「億りびと」になったと言います。

ただし、「億りびと」と言っても、実際は1億円の借金をしているだけで、それは資産とは言えません。

 

当然、ローンの返済が終了した時点で、自身の資産になるのです。

 

Aさんは自身の資産運用のためのFPにも相談しています。

 

 

それなのに、私のところに電話をかけてきました。

 

「もしもし、アネシスプランニングさんですか? 寺岡さんのご著書を読んで、お電話さしあげました」

「どうも、ありがどうございます。それで、ご相談内容はどんなことでしょうか?」

 

「最近購入した投資用マンションについて、ご相談したいと思います」

 

「その投資用マンションについて、何か気にかかることがあるということですか?」

「はい。老後資産用に購入したので、本当によい投資だったのか、検証していただきたいと思いまして」

 

「わかりました。それではご指定した日時に当オフィスでお待ちしております」

 

 

Aさんは見た目も若々しく、聡明な感じの爽やかな女性でした。

「それでは、資料を見せていただけますか?」私がそう言うと、白い封筒を渡してくれました。

 

その内容はじつに酷いものだった。

新築で2500万円の投資マンションの物件を4戸。

それも都内23区にあるものの、こう言ってはなんだが今一つパッとしないエリアにあって、同じような物件を購入してしまっていた。

また、借入れのローンも比較的高利率で、これではどう考えても投資としては不適格。

 

「はっきり言いますが、Aさんの購入した物件は今すぐに損切したほうがよいと思います」

「えっ、いま、なんと言いましたか?」Aさんは怪訝な顔をして、不満そうに答えた。

 

「残念ですが、悪い買い物をしてしまったようです。簡単に計算してみましたが、年で200万円の利息の支払いがあり、このまま5年間持ち続けると1000万円の損が出ます」

 

「は、はぁ、そうですか……」まだ納得していないようだった。

「Aさんだったら、絶対にすぐ理解していただけると思って、計算を見せたのですが、まだわかりませんか?」

「はあ、わかるんですけど、なんだかまだ信じられなくて……」

「それでは、じっくりご検討していただいて、納得できたら、またご来社ください」

 

その後、Aさんからメールがあり、他の第三者機関に相談するとのことだった。

 

 

それにてしても、ここ数年、このAさんのような人の相談が増えました。

プロフィールを見れば、社会的にステータスの高い人々。

 

しかし、何らかの「闇」を抱えているとしか思えない。現実を直視するのが嫌なのか。

自分が失敗していることを絶対に認めない人々の相談がやまない。

 

毎月2万円の負担という軽さ

 

「1戸あたり月々5000円のマイナスですが、これは保険だと思えばいいんです。月2万円で『億りびと』になれるわけです。

しかも、ほとんどノーリスクです。

新築区分マンション投資はローンで購入すれば団信が適用されますから、万が一の時にも安心です」

 

これが不動産投資会社の論理ですが、言うなれば詭弁。

実際のところ、借金がチャラになるのは、当の本人が亡くなった時なのです。

 

当初月2万円だったものが、5年経ち、10年経つと、さらに負担が重くなっていきます。

気付いた時は、老後資産と考えていた運用は逆ザヤになっていて、何のための投資だったのかがわからなくなっていくのです。

 

こういったケースは後を絶ちません。

 

不動産投資の実態は、私が「不動産投資は出口戦略が9割」を上梓した2016年当初と変わっていません。

というか、より酷くなっているとも感じます。

 

著書「不動産投資は出口戦略が9割」

ー不動産を売りたいと思ったら読む本ー

 

不動産投資会社の営業戦略は巧妙です。

数字のマジックを利用して、「月々5000円」という切り札を切ってきます。

そのマイナスぶんは、投資家にとって「大したことがない」と錯覚させられてしまいます。

 

これを35年返していくという計算は、ふつうの人ではパッと浮かばない。

だから、それくらいの負担であれば、購入してしまおう! という心理がはたらいてしまう。

 

そこに大きな罠がある。

 

その罠にひっかかってしまった人々は、大抵は見てみないふりをします。

それは、どこか、いつかで見た光景にも思えます。

そう、倒産しかけている会社や、借金まみれの自治体のようです。

 

FPはなぜ儲からない投資マンションを勧めたのか??

FPの仕事はお金に関するアドバイスを行いますが、その相談料だけでは儲かりません。

 

よく保険代理店の人がFPの資格を持ってお金のアドバイスをしていますが、要は保険商品を売るためにFPという肩書があれば保険は売りやすいというわけです。

保険を売ればその手数料が入るので、相談料よりも高い保険の手数料を目指して保険を勧めてきます。

 

不動産を購入させるのも保険を勧める構図と同じ。

 

「投資マンションを買えば老後の不安が解消されます!」というお金の専門家に背中を押されてしまい、1憶円もの借金をして投資マンションを買ってしまうのです。

 

投資マンションを勧めたFPには不動産会社から売買金額の数パーセントの紹介料が入ります。

 

1憶円の投資マンションを勧めて300から500万円の紹介料がもらえる!

こんなFPにお金の相談をしても正解は得られないでしょう。

 

 

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アネシスプランニング株式会社

寺岡 孝

電話:03-6665-6877

メール:info★anesisplan.co.jp

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