管理規約も改定させてしまう常駐のマンション管理人

マンションに住むとそのエントランスには必ずマンションの管理人室がある。

この管理人室にはマンションの管理会社から派遣された管理人が常駐している場合がある。

マンションの管理人の主だった仕事は週に何回かあるゴミ出しやマンションの共用部の清掃、共用部のメンテナスなどがある。

マンションの管理会社は概ね販売時のマンション・デベの子会社が担当しており、例えば、三井不動産であれば三井不動産レジデンシャルサービス、というようなものである。

 

マンションはその所有者で構成される管理組合が中心でマンションの運営に当たり、その業務の補佐をする立ち位置で管理会社が存在する。

管理組合には所有者から選任された理事長を中心に数名の理事で構成され、マンションの運営のために議案を提案したり、大規模修繕工事などのメンテナンスを検討する場となっているのだが、近年、マンション運営について考えさせられることがあった。

常駐管理人にカモられた管理組合

住戸の多いマンションの場合、管理会社による管理人が常駐するものだが、そこの管理人がマンションの住民と仲良くなりすぎて管理組合に口出ししているケースがある。

 

その実態はこうだ。

管理人は本来、管理会社が規定している業務を的確に行うものであり、あくまでも住民との距離はそれなりに置かなくてはいけない。

しかしながら、あるマンションの管理人は居住者のプライバシーを聞き出し、他の居住者に口外する始末だ。

 

何階のAさんの子どもはあの学校に通っているとか、何〇何号室のB

さんはこの前、おばあちゃんが亡くなってこうだったなど…

また、管理人の1日の仕事は多々あるのだが、大半は居住者との井戸端会議で時間を過ごし、共用部の清掃は居住者が見ている前だけでしかやらない、巡回中の札を出して近所のスーパーまでプライベートの買い物に行く、居住者が搬出した粗大ごみ的なものも使えるものは家に持ち帰るなどやりたい放題、それでいて勤務時間の終了時にはきっちり帰るという在り様だ。

 

極めつけはマンションの理事長と仲良くなり、自分の業務がやりやすいように管理人の勤務体系などを変えてしまうことがあったり、修繕工事を修繕計画よりも早くやるようにけしかけたりしている。

 

そのため、修繕積立金の減少が激しくなり、いざ大規模修繕工事を行う段になって修繕金のカネが不足して修繕できないということもあったようだ。

 

このような管理人は本来の姿ではないのだが、結局のところ居住者との関係性を上手く保って自分のやりやすいように管理組合を動かしている。

こうした管理人は管理会社からは優秀な管理人として表彰されることもあるようで、マンションの管理組合もなめられたものである。

 

マンションは管理組合が機能していないとマンション自体が劣化して価値が下がるもの。

特に、メンテナンス工事を定期的に行うことができないと居住者自身にも影響を及ぼしてしまう。

 

常駐管理人の人の良さに惑わされてしまい、結局は管理組合が常駐管理人にカモられてしまったのである。

 

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