「浮塵子」である。
難しい漢字から入ってしまったが、「うんか」と読みます。
セミのミニサイズみたいなヤツで、繁殖力がものすごく、米が育ってきた頃に稲の養分を吸い取って枯らしてしまい、田んぼを全滅させてしまうほどの威力を持つ恐ろしい虫です。
おそらくあなたも聞いたことがあるかもしれない。
ウンカは大昔から存在しています。
が、今から7~8年前に突如中国で、今までにないほど劇的に大発生してるんです。
この時から毎年、梅雨の6月以降に東シナ海上の南西風に乗り1000km以上も飛んで日本に大量にウンカがやってきていることはあまり知られていません。
じゃ、なぜ7~8年前に大発生したのか?
実はこの時に栽培された米が、大手商社が開発した収穫量が多くて儲かるF1種の米(ハイブリッド米)だったんです。
F1なので種籾は取れないけれど量が取れて金になるし、ウンカは大量発生するけれど大量の農薬を使えばいいし、ってことで。
しかしこの農薬に抵抗性をつけたウンカが新たに出現し、そのウンカを駆除する新しい農薬が開発され、またその農薬に対する抗体をつけた新しいウンカが…と止めどない戦争になっいることもまず知られていない。
今年、そのウンカがとんでもない勢いで稲を襲っています。
ここ熊本でも、稲刈りを間近に控えていた田んぼが全滅させられているところをいくつも見てきました。
それは残念なことに、実は一般的にしっかりと農薬散布をされている慣行の田んぼだったんです。。。
土のめぐみの生産者である村山さんの田んぼにも 例外なくウンカはやってきます。
けれども、まるで違う。 全滅させられていた田んぼとはまったくの別世界なんです。
もう何十年も完全無農薬栽培で米や野菜をじっくり育てていると、少々のことがあっても稲や土そのものが踏ん張れるだけのチカラがしっかりと備わっているんだろう。もちろん有機栽培といえども堆肥の窒素分管理なども徹底してることも大きいだろう。
さらに、無農薬栽培という楽園にはクモやカマキリなどの天敵が居付いており生態系が見事に美しく整っているので、一億以上の生物が生きているというその田んぼや畑はちょっとやそっとじゃ絶対に、 負けない。
有機認証のJASマークがあるからだとか、大きくて立派なブランドだからとか、有名なお店や商社が取り扱っているからだとか、無農薬栽培という冠がついたお米や野菜だからだとか…
うん、いや、それもいいです、決して否定しませんし大事なことだとも思います。
けどね、
それ以上にね、
毎日毎日本当にものすごい手間やとんでもない長い時間、考えられないくらいの苦労、それらもはるかに超えてしまうものがそこにはあるんです。
データや数値では決して見ることができないし、自分の拙い言葉や写真、動画ではなかなか伝えることが難しいけれど、そこには確実にあります。
それは、目には見えないかもしれないけれど、生産者にとっても、俺にとっても、あなたにとっても、すっごく大きな財産で、かけがえのない宝物…
それが「愛」です。
美しい四季を愛でる者として、お箸の国の日本人として、この命の田んぼを誇れる国として、
ここにいて、よかった。
お米を愛せて、本当によかった。
改めて今、
俺はそんなふうに心の底から思っています。



