最近、引っ張り出して懐かしんでいた。
確か、『月刊カドカワ』に掲載されたものを集めた、短編集。
編集長で、現・幻冬舎の『ケンケン』こと、見城徹さんが、彼の支えになって表現の場を広げ、作った作品たちだったと思う。
大切にしているけれど、帯も痛んでしまっている。
どれだけの歳月が過ぎたのだろう・・・
当時から、私小説的なところ、透明感もありつつ、言葉選びとか、表現が彼らしくて、読んでいて心がくすぐられる。
表現の場を、新たに、小説、写真詩集『白紙の散乱』とともに、確立し始めていた。
中でも、『変貌』『普通の愛』が気に入っている。
当時、自身が、重ねてしまうような環境にいて、共感した。
それからも、人生の中で、恋愛がくじけてしまいそうなときや、終わった後に読むと、そうだよねー、なんて、納得してしまったりした。
多彩な才能を『作品』として、残してくれて、
リアルに読んだりできて、そばに在ってくれて、助かった。
それからも、月日を経て、今読んでも、新鮮。
同じ時代をリアルに共にできたことが、自慢。
人生に大きな影響を与えてくれた。
『あとがき』に出てくる人たちにも興味を持った。
中でも、もともと好きな、村上龍さん、坂本龍一さん。
お会いする機会には、彼のことを聞いてみたいと思っていたが、
いざ、聞く気にはなれなかった。
自分のイメージの中で、生き続けて、なお、彩を変える『普通の愛』。