夏、隣人が引越していった。
TVで言っていたのだが、隣の住人が不幸だと、それが伝染り、幸福度が下がるらしい。まさにそうだった。
隣人が居なくなってから、まるで頭の中にあったもやが晴れ渡り取れた様に、精神的にすーっと楽になってきた。
ダイエット兼ねて、スポーツジムに真面目に通う様になった。尾崎豊も、鍛えるのが好きで、ジム通いをしていたからだ。
ヨガと筋肉トレーニングにハマった。運動というものは案外と頭も使う。たまに、バレエのクラスにも出たが、鏡に映る自分を見ながら(これが不細工)恥ずかしい気持ちにもなるが、頭で思うように体を動かすのは意外にも難しい事を覚えた。それだけに、動いてくれると楽しみと気持ちのいい汗に変わった。糖質制限で食事にも気をつけて二ヶ月で6キロ、体重は落ちた。
結果が出たのは、感動だった!
しかし、その頃、母が検査で糖尿病気味と診断されてしまい、かなりショックを受けてしまった。
まだ、なりかけなので、その後の食事療法で克服したのだが、自分も心配になり、行きつけのクリニックで検査を受けてみた。結果、異常はなかったが、糖質制限ダイエットには賛成できないと医師に言われて、ガクンとなってしまった。
信じてやってきたダイエットは結果も出てきているのに、それが覆された!
それから、ジムに行く回数が減っていった。また、家に篭る様になり、好きなものを好きなだけ食べる様になり、すっかり元に戻ってしまった。
篭りはじめて、尾崎豊への探究の旅は深くなっていったし、十年ちょっと止めていた、読書も再開した。
いままで、本が、人生に影響する事もあったし、精神を酷く乱す事もあって、医師と相談して止めていた。読まない方が楽に生きてきた気がするけれど、心が貧しくあった気もする。その間でも、詩集と短編小説は、ちょくちょく読んだ。
町田康のものは、気分も良くなるので、愛読した。
読み返す物もあるけれど、最近は、尾崎豊が読んでいた本を選んで読む様になった。
哲学系や、洋書はなかなか読み進むのに時間がかかるけれど、だいたい、常時三冊を気分によって変えながら読んでいる。
近所の公園に住んでいるおじさんは、見かける時、いつも本を読んでいる。猫も飼っている。家がなくても、きっと心は豊かなんだろう。
