2012.01.21 東京新聞でこのような記事がありました。

anemoneの放射線量測定・考察ブログ anemoneの放射線量測定・考察ブログ

記事には、安定セシウムの実験結果ではほぼ100%とれるとあるが、
放射性セシウムでのデータはなく、バグフィルターは安全ではないと書かれてあります。

はたして、これは正しい報道でしょうか?

焼却炉について自分なりに勉強をしてきました。
記事を読みながら、色々なところに疑問を感じました。

安定セシウムで実験が成功したものは、放射性セシウムでは何故取りきれないと言えるのか?
放射線を出すか出さないかの違いはあるものの、
どちらもセシウムという金属です。
金属としての性質(何℃で溶けるか、固まるか、気化するかなど)は安定性も放射性も同じなのでは??

安定セシウムと安定ストロンチウムはバグフィルターで99.99%の実験結果が…とあります。

Csは671℃(ストロンチウムの沸点は
1382℃)を越えると気化しますが、バグフィルターの場所では冷やして固体化させて10μmくらいの大きさになります。
だから除去できているのです。

新聞にはデータがないとかかれてありますが、
放射性Csの実測値のデータがあり、焼却炉のCs除去結果が出ています。

放射能汚染廃棄物問題の最新動向と今後の課題
(独)国立環境研究所 資源循環・廃棄物研究センター
http://jsmcwm.or.jp/kantou/2011/semi111105.pdf

こちらの資料は焼却炉の仕組み、排気のデータ、灰の埋め立てやそのほかとてもわかりやすくかかれてあるのでおすすめです。

このほかにも、焼却実験でのデータや、色々なデータがあります。
私はガレキの焼却灰よりも、汚染地域全体の一般ゴミや産廃の灰の濃度のほうが高く、
埋め立てや管理が最もクリアすべき課題と考えています。


「バグフィルターは放射性物質を取り除けるのか?」
私もずっと疑問に思い、自分で調べたり見学したりしましたが、
きちんとデータがあるので「ほぼ100%除去できる」ということが納得できました。


自治体によって、ガレキの広域処理に対する考え方は違います。
岩手県岩泉町ではガレキはそこまで多くはなく、広域処理は不要では、と町長さんがおっしゃっていた記事がありました。
でも全ての自治体が自分達でなんとかすると言っているわけではありません。

平地がなく、建てたくても焼却炉を建設できない地域はどうやって復興をすればいいのでしょうか?
助けて欲しいという自治体には手を差し伸べて欲しい。
測定して問題ないものは、むやみに反対せず、良く考え、理解し、受け入れて欲しい。

そう思っています。