新創世紀(8話 )接觸-中 | anemone-baronのブログ

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落書き小説根底にあるもの!
私の人生は、「存在しなければ、何を言っても正しい」という数学の存在問題の定義みたいなもの。小説なんか、存在しないキャラクターが何を言っても、それはその世界での真実なのだ。

 
宇宙船「ノヴァファミリア」の中で、フロブはガーガーといびきをかきながら深い眠りについていた。
 
 昨日の彼の活躍がを、ファミリーたちはその成果を確認していた。

オンタは画面を見ながら感心しながら

 「フロブのオッチャン、中々やるな。あの手法は思いもよらなかった。」

オリメ(人工知能)はその場面を記録したデータを分析しながら言った。

 「ピ……いやー凄いです。フロブはただ炎を見せただけでなく、実際にその使い方や危険性まで彼らに伝えました。彼の教育法は独特ですが、非常に効果的のようです。」

「彼らが初めて火を使う様子を見るのは本当に感動的だった。」とセレナが感慨深く言った。

 「特に子供たちが火遊びに夢中になっている姿は、まるで新しい世界に目覚めたかのようで新鮮だわ。」

グランパ・モルフはフロブの横で穏やかに

 「あいつはいつも冗談ばかり言ってるが、この任務に関しては中々真剣だな。奴なりのやり方で、人類への進化に大きな一歩を踏み出させたんだ。」

ゼックスも感心して
 
「奴の奇想天外なアプローチが、ホモ族に新たな時代の扉を開いたな。」
 
アルトとエリダも「僕たちもなんか手伝って挙げないとね。」
 
 画面には、フロブが猿人たちに火の起こし方を教えている様子が映っていた。

 彼は簡単な道具を使い、火を起こす一連の過程を丁寧に説明している。

 彼の周りの猿人たちは驚きつつも興味深げに見入っていた様子の画像も写っていた。
 

 さて、一眠りしたフロブは目を覚ますと、すぐに中央コンソールで次の準備を
 
「細工は流々、仕上げを御覧じろってな。本番はこれからだよ。」
 
と言って次の作業へのデータや小道具を整理始めていた。

 
 次のターゲットは海の近くで生活しているグループだ。
 
フロブは前回同様に日が沈みかける時間帯に、夕日をバックに海の上を”シャチ”の背中にまたがって荷物を積んで、松明持って、ターゲットのホモ族集団に向かってゆっくりと地づいていった。
 
 フロブが背中で揺られながら、
 
「あんたらにも、炎の使い方教えようか?」と冗談交じりにシャチに話しかけると。
 
 シャチは一瞬、波を切る動きを止めた。
 
その大きな目がフロブを一瞥し、呆れた声で「水ん中で雨を降らすのと一緒じゃ、無駄なことじゃけえな」(何故か広島弁)
 
 その返答に、フロブは驚きと共に笑みを浮かべ「おぉ。あんたら、学があるね~ホモ族以上だね。」フロブが感心する。
 
 するとシャチが「あんなアホな猿モドキと一緒にすんな、ウチらは年季が違うっちゃ」
 
 フロブは「そうかい、でも、あの猿モドキに文明を築いてもらおうと思ってるんだが。それが俺たちのミッションなんだよ。」

 シャチの声には、長い年月を生きてきた賢者のような落ちついた声で
 
「あんたらもか?猿ってそがいに便利な生き物なのかね。1000万年前くらいに、同じことしよったやつらがおったがね。」
 
 フロブは驚いて「アンタ達シャチ族は、そんなに長生きできるの?そんな昔のことを知ってるなんて」
 
シャチは尾っぽで水しぶきを上げながら
 
「アホ抜かせ、寿命は40~70年くらいじゃわ。わしらは脳みそは他のどの哺乳類よりも巨大じゃけん、世代を超えて知識を伝承してあるんじゃ。ここにな、代々の記録がインプットされとるんじゃ」
 
フロブ「なるほど~時代の記録者って訳か~、でも地上には文明の痕跡は見かけないのだが、どうしてだ。」
 
 シャチ「前の猿(人類)たちが、地上を全部焼き尽つうしたけぇな、今の地上の生物はその時からのリセット組じゃけぇ原始的なままなんじゃ。」
 
フロブは、その驚くべき事実に深く思いを馳せた。しばらく沈黙の後、彼は重い口を開いた。

 「……そうか、地球には既に高度な文明が花開いていた時代があったのか。……」

シャチは鼻を鳴らしながら言った。

 「そうじゃ、だが、猿共(人類)は自らの技術の絶頂の果てに自滅したんじゃ。技術の発展と共に、その管理と責任も重大になりよる。

 技術の発展と共に、倫理的、道徳的な進化も同じくらい重要になるんじゃが、猿(人類)にはそれができんかったんじゃ、結果、自らを滅ぼす大災害を引き起こしてしもうた。倫理的な進化は出来ずに、ただのアホやった」
 
フロブは珍しく真剣に
 
「ただ、我々も母星に帰るための材料を彼らに調達してもらうための、技術を身に着けてもらう、必要が有って……」
 

 シャチは笑いながら
 
「随分と気の長い話じゃのう。まぁ、ウチらにゃどうでもええけど、あいつらが海に出てきたら、片っ端から喰っちゃるわ。」と笑えないジョークを、ぶっ飛ばしてきた。

 

 フロブは、海岸線に近づくにつれ、オリメ(人工知能)のデータからここのホモ族の生活様式の違いを確認した。
 
 彼らは、海中哺乳類の骨を用いて日々の生活に必要な道具を作り出して、これらの骨は、狩りの武器、魚を捕まえる道具、さらには装飾品や帽子のようにも使われていた。
 
 フロブは、海岸線に近づくと、シャチから降り、荷物を背負い、松明を手にして、ゆっくりとホモ族集団に近づいていった。太陽が水平線に沈む美しい夕日を背にして。
 
ホモ族は、海から来たフロブの到来に初めは驚き、警戒したが、彼が前回のような威嚇行動はせず、友好的な態度を見せていた。

 太陽から来た民が海を渡ってくる、フロブの姿に畏敬の念を感じていたのだろう。
 
 フロブは彼らの生活に馴染むよう努め、海岸で見つかる様々な骨を使って、簡単な炎の起こし方や、炎で食物を調理する方法を示し、頭蓋骨を使って鍋代わりの調理方法など見せた。
 
 海岸線での彼の活動は、ホモ族の文化に新しい変化をもたらすこととなり、彼らの進化に一役買うことになる。
 
 フロブはこの様にして地球の古今東西の猿人に、「炎」の伝道師となり出稼ぎセールスをしていった。

アンデス地方では”ラマ”跨り、ペルー地方では”アルパカ”に跨り

 


 

ナイル川では”カバ”に跨り、インド地方では”像”に跨り

 


カンボジア地方では”水牛”、志那地方では”パンダ”に跨り

 


 

ロシア地方では”ユキヒツジ”、東南アジアでは”海亀”

 


 

 ……などなど

 

あらゆる所の猿人達に”炎”を伝えていった。
 
あっそうそう彼らを裸にするための「脱毛セット・」マダニー」の土産もね。

 

 

 

つづく…だろう