Coalport
先日のお茶、1830年頃のコールポートです。
冬に地元に帰ったときに、母から借りて戻ってきました
アプリコットの地に金彩で薔薇、
白地のところには手描きの薔薇の花綱が描かれていて、
カップの外側には竪琴のようなかたちの金彩がぐるっと一周しています。
アデレードシェイプという形です。
1830年に即位したウィリアム4世の王妃の名前(Adeilaide)に因んで名付けられたそう
ロココのリバイバルの影響を受けていて
宮廷ぽい優雅なフォルムなのですが、
ベースがアプリコットなのもあってどこか軽やかな感じもしました。
この日は父の日用に、朝から大量にお菓子を焼いていました。
マドレーヌ、フィナンシェそれぞれ3種類(プレーン、紅茶、クランベリー)に
いちごのスノーボール、くるみのクッキー2種類、ごまときなこのクッキーです
ひと段落したところで、味見を兼ねて10分休憩。
くるみとチョコチップのクッキーに
スプーンは同じ頃のシンプルなものにしました。
カップだけで見ると自分史上最大級に華やかなセットなのですが
お茶をそそぐと紅茶の水色がとてもよく映えて、
そのぶん落ち着いた優しげな雰囲気になりました。
持ちやすくしっかりしていて
高台もついているので冷めにくいと、
見た目だけでなく、飲む人のことをちゃんと考えたつくりなのがスバラシイ。
200年近く前にはどんな人が手にしてたんだろうな、
このカップで紅茶を飲んでほっとしてるのは
私で何人目なんだろうとどうでもいいことを考えつつ古に思いをはせつつ
お茶を頂いておりました。
「お茶を一杯」のあいだでも
時間的にも空間的にもだいぶ遠くまで行ってきたような感覚になって、
ふうっとほどけていくようなところが、アンティークはすごいなと思います。