涼暮月
夏椿が咲いています。
先日、日本民藝館に行ってきました。
お向かいの西館、柳宗悦の旧居なのですが
見られるのが会期中の水曜と土曜だけで、なかなか都合が合わなかったのです。
今回やっと行けました。
わかりやすい豪華さはないけれど品のある、素朴な落ち着いた建物でした。
付け焼き刃でない、質量を持った思想がある家だなぁと思いました。
宗悦の書斎が圧巻でした。
ドアを囲んで天井までの本棚に、庭のみどりがきれいに見える窓、
どっしりとした椅子と机、そこだけ確実に時間が垂直に流れている気がして
民藝とは何か (講談社学術文庫)この本で読んだ
自然さとか謙虚とか質素とか単純とかいうことが、
美を育てる根本的な要件であるということです。
をしみじみと思い出しました。
そこから近代文学館を回って
旧前田家本邸へ。
洋館は保存整備工事のため、来月から二年近く休館になるそうで(■)
その前にもう一回見ておきたかったのです。
いちばん好きなのは階段の下のここ。
作り付けの椅子があって、深く座ると手前側の人は見えなくなります。
向こう側の人は見えるのですが、これは前田家側の人である可能性が高く
お客様が人目につかずにお話しできるようにという配慮がなされた設計になっているのだそうです。
それから窓好きとしては
食堂の窓(左)と長女(酒井美意子さん)の部屋の窓(右)。
玄関の真上なので、この部屋だけバルコニー付き!
書斎(左)と寝室。
旧前田邸には和館もあります。
洋館のどうだ感にくらべるとずいぶんあっさりした佇まいに見えるのですが
欄間から床の間からいろいろ渋く
なにより畳に座ってながめられる庭がほんとにすばらしい。
ガイドの方に教えていただいたところ
一番いい場所は、床の間の中央を背にして座った場所=上座。
ガイドの方は洋館にいらっしゃるのですが、見ているときに声をかけて下さって
話しているうちに和館についても詳しく教えて下さいました。ありがたや
右手に花頭窓→雪見障子の硝子ごしに石灯籠が見え、
庭に目をやると視線の一番奥に滝が見えるようになっています。
もともと、「窓」は「間戸」と書いて
柱と柱の間を指していたと読んだことがあります(■)。
座ると横長く切り取られる「間戸」の景色を
絵巻物に見立てるように
座ったときの視線で計算された庭の造りがみごとでした。
みんな自然に畳に座って庭を見ているのもなんだか和みました。
やっぱり畳と板間は落ち着くなぁ。










