す認知症介護日記
老人ホーム引っ越し②
有料老人ホーム前に車を停め、長女・私・じい順番に車から降りた。
「入居?そうやたかなぁ?」と
じいは悩み始め、表情がこわばった。
今さら引き返せない!
老人ホーム前で入居を拒否されても困る
歩くしかない!前進あるのみ!
私は、心の中で言い聞かせた。
じいと一緒に老人ホーム玄関まで歩いた。
玄関扉が開くと、施設長、職員が笑顔で迎えてくれたが・・・
じいの顔から笑みが消えた!
職員の声掛けで、じいは玄関の椅子に座り、靴を脱いだ。
年寄り扱いされたくないし、じいは認知症と思ってない。
じいは落ち着かない様子で、食堂ホールに連れて行かれた。
私と長女は、車から荷物を下ろし、じいが老人ホームで生活できるようセッティング。
じいの部屋はトイレ、洗面台、クローゼット、福祉用具レンタルベッド、冷蔵庫も
用意されていた。
じいが生活しやすいよう馴染みの家具を配置した。洋服、下着、パジャマ衣類等
引き出し、クローゼットに収納した。
じいが寂しくならないように、家族全員、長女、次女、孫の写真をフレーム一面に貼り付けた写真立てを用意した。
「おじいちゃん。また会いに行くよ。待っててね」と長女がメッセージを添えた写真立てをテーブルの真ん中に置いた。
約50年前、髪の毛フサフサした男前のじいと、義母の写真も飾ってみた。
常々、男前やろ?と自慢していた写真である。
最後に、じいの好きな、ヤクルトとチョコレートを冷蔵庫に冷やした。
職員が冷蔵庫の管理をしてくれるので有り難い。
引っ越し作業が終わり、 食堂ホールに戻ると・・・
じいは職員と好きな曲を聴きながら、ぎこちない会話を続けている。
私:「じい!また来るよ」
長女:「おじいちゃん!又来るよ!」
2人で明るく手を振ったが、複雑な心境である。
じい:「えっ?私は?」
不安そうなじいを置いて、後ろめたさを感じるが・・・
これ以上長引かせると、もっと辛くなる。
私と長女は施設から出て自宅に帰ることにした。
じいのてんかん発作は、いつ起こるか予測できない。
24時間スタッフ常駐であれば、安心して生活ができると思う。
一日も早く新しい環境に慣れてくれることを願いたい。
つづく→